正直、何のために本を読むのかわかんない。それは「おもしろい!」と思える本に出会ってないからかも。たくさんの本を知ってる書店員さんが「いちばん!売りたい本」を選ぶ『本屋大賞』は大賞受賞作品も、ノミネート作品も、映像化されるような名作ばかり。今年の大賞&注目作品はコチラ!

【2021年本屋大賞!】「声をあげても届かない」誰かの声が聞こえるかも

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2021年の本屋大賞受賞作品。「52ヘルツのクジラ」とは、ほかのクジラと声の周波数が違うせいで、声をあげてもまわりの仲間に気づいてもらえない世界に一頭だけの孤独なクジラ。そんなふうに声をあげてもまわりの誰にも気づいてもらえなくて孤独に生きてる人がいる…? 自分の人生を家族に搾取されてきた女性と、母に虐待されて「ムシ」と呼ばれた少年の出会いを描くこの物語を通じて、みんなも今まで聞こえなかった声が聞こえるようになるかも。
『52ヘルツのクジラたち』町田そのこ ¥1760/中央公論新社

【3位】教室で過ごす「犬」が見つめ続けた高校生たち

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3位は高校が舞台の青春小説。1988年の夏の終わり、ある高校に一匹に白い子犬が迷い込んできた!「コーシロー」と名付けられた子犬は、それ以来、生徒とともに学校生活を送ることに。時代が移り変わっていく中、コーシローが見つめてきた生徒たちの思いが描かれていくよ。きっとまわりの友達も、先生も、親も知らない悩みやモヤモヤも、犬になら話せるって気持ちわかるよね。
『犬がいた季節』伊吹有喜 ¥1760/双葉社

【6位】「科学」には傷ついた心を癒やす温かさが

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「科学」って答えが明らかで、気持ちでブレたりしない。だから冷たい感じもするけど、逆に「科学」の確かさで救われる人も。不愛想で手際が悪いコンビニのベトナム人店員グエンが、就活で連敗中の理系大学生・堀川に見せた真の姿とは。会社を辞めて一人旅をしていた辰朗が出会った、凧を揚げる男性が語る父親の仕事は? など、科学が傷ついた心に灯りをともす5つの物語。
『八月の銀の雪』伊与原 新 ¥1760/新潮社

【発掘部門】新しい仕事を作る方法がわかる!?

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2019年11月30日以前に刊行された本から、今読み返してもおもしろい本を選ぶ【発掘部門】。2021年に選ばれたのは「マイブーム」や「ゆるキャラ」の名付け親としても知られるみうらじゅんさんの本。何が本当の職業なのかがナゾなみうらさんが、世の中に「ない仕事」を作ってきたやり方を紹介してるよ。新しい仕事がガンガン登場する今読んでも、十分役立つ話がいっぱい。
『「ない仕事」の作り方』みうらじゅん ¥726/文藝春秋
構成/古川はる香