7月号で卒業を決めたまりえってぃ。4年間分の思いを込めて、読者のみんなに熱いメッセージを語ってくれたよ。しっかり受け止めて!

無理しなくていいって気づけて楽になった

ついに卒業…まりえってぃからのラストメッの画像_1

 この4年間、本当に濃かった。入る前、STは私にとって憧れで、そのモデルになれるのはすごいことだと思ってた。夢だったの。……もしST㋲になってなかったら、今、全然違う人生を歩んでいるだろうなって思う。ST㋲になれたから出会えた人がいるし、できたお仕事があるなって。自分自身もすごく変わったよ。モデルを始めたての小学生の頃は、どれだけたくさん雑誌に出られるかっていうことで頭の中がいっぱいだった。中学生の頃は、最先端なものをたくさん取り入れて、どれだけアピールできるかが勝負だと思ってた。たくさんいるモデルの中で、目立とうと頑張ってたの。でも、STに入って、無理してそういうことをしなくていいんだって気づいた。STには、自己表現は自由だっていう雰囲気があったんだ。素のままで、好きなようにしてていいのかなって思えたの。本当にここにたどりつけてよかった。あのままがんばっていたら、もしかしたらお仕事をやめてしまっていたかもしれないな。

 バカボンのパパの「これでいいのだ」って言葉があるじゃない? 私、あれって魔法の言葉だと思ってるの。だって、本当に大丈夫になるんだもん。逆に「これでいいのかな?」って不安になってると、物事が悪いほうにいっちゃったりするんだよね。だから「これでいいのだ」って、無理せずに楽しむのがいちばんいいし、私には向いてるなって思ってるんだ。  卒業を決めたのも、〝無理しない"っていう考え方が影響してるかな。去年、ST学園祭のときに「私、来年の学園祭まではいられないな」って思ったんです。それまでは、先輩がたが卒業してまた新しい時代がくる。その中でもっと私を表現していこうって思ってた。でもね、学園祭のときに「あれ? 私の好きなものと読者のみんなが好きなものは違うのかもしれないな」って思っちゃったの。例えば、読者との撮影会のときに、他のモデルのコが「面白いから好きです」「親近感があるところが好きです」って言われていたこと。私は、憧れられる、カリスマ性のあるモデルさんを目指したいと思っていたから、真逆のモデルが求められていることにおどろいちゃったの。私は内面は、一気に全部見せずにいたいと思っていたし、それがいいと思ってたんだよね。

あと、「○○ちゃんのファッションが好きです」って言われてるコたちのコーデと、私の得意なコーデがぜんぜん違ったりとか。韓国っぽいコーデとか、スポーティーなコーデとかね。私が好きなコーデは、読者の多数が好きなコーデとは違うんだなって思ったの。20歳になって、世代が上になっちゃったことがすごく大きいと思う。時代が変わって、私が好きなものがそのままみんなの好きなものではなくなっちゃった。もちろん、みんなの好きなものに自分のコーデを寄せていくことも考えた。でも、自分の得意なものを捨てて、ハヤリにハマっていくことは、私の目指すモデル像とは違ったの。自分の好きを発信して、それがみんなの好きにハマって、提案していけるモデルになりたいし、その気持ちを、自分を偽りたくない。この気持ちは、STでもらったものでもあるから。だから、卒業を決めました。後悔することは絶対にないとは言い切れないけど、これが私の選択です。この卒業は、私にも、STにも、読んでくれるみんなにも、よい決断だなって思ってます。自分にも、見てくれるかたにも、ぴったりハマる発信の場所を探しに行く感じ。私は〝次は何ができるか"を考えて、新しいことにチャレンジしていきたい。もちろん、みんなの〝好き"にハマって、〝好き"って言ってもらえることもたくさんあった。だから私は、満足してるんです。

私がSTに残せたのは後輩との関係

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 STに入るときに「新しい風を吹かせます!」って言ってたんだよね。実際はどうだったかなってふり返ったときに、新しいことができたかはよくわからないなって思ってたの。でもね、今日卒業式に後輩のコたちがたくさん来てくれて。花恋ちゃんが「先輩との距離感を、いい意味でほどいてくれたのはまりえさんです」って言ってくれた。愛里ちゃんが「私もまりえさんみたいな先輩になりたいです」って言ってくれた。それですごく救われたの。私、残せたものあったなって。実はもともと〝後輩"っていう言葉も苦手なの。だって、年下のみんなにも尊敬するところっていっぱいあるし、チャンスは平等だし。だから、そういう先輩・後輩の壁を取り払えたのは、私が吹かせられた〝新しい風"だなって、今日気づきました。

 読者のみんなからも「頼れるお姉さん」っていう存在になれてたっていうことが、みんなからのメッセージでわかった。おそれ多いな、とも思うけど、やっぱり素直にすごくうれしい。私は高校生のときに、ステキな大人にいっぱい出会えて、その人たちからもらった優しさや言葉で、前向きになれたんだ。「このお仕事向いてないかも」「ダメなのかも」って思ったこともあった。

今となっては、あのときの弱気な私を「自分で限界を決めるな!」ってビンタしたいくらいの気持ちなんだけど(笑)。でも強い人たちの強い言葉に出会えて変われたし、「続けてればきっといいことがある」って信じて続けられた。だから私も、読者のみんなにとって、そういう存在になりたかったの。だから、連載のお悩み相談でみんなの力になれたことは、すごくうれしかった。私が高校生のときに出会ってよかった言葉を、みんなに伝えることができて、よかったなって思ってる。

 STでのお仕事は、すっごく楽しかった! 本当のことを言うと、まだまだSTという場所に甘えていたかったけど(笑)。演技のお仕事でいろいろな役をもらって、役にふり回されて余裕がなくなっているとき、キラキラしてるSTの撮影に来ると癒やされた。先輩たちも優しくていっぱい甘えたし、年下のみんなもすごく好きだった。今日の卒業式はね、本当に年下のコたちがいっぱい来てくれたんだよ! こんな私のために時間をさいてくれて、見送ってくれた。お別れの言葉を言うために前に立ったとき、ステキな景色を見られちゃった。みんなが並んで、私に視線と気持ちを向けてくれてた。〝愛をもって接していれば愛が返ってくる"という言葉は、やっぱり正しかったなって、改めて思いました。

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まりえってぃのメッセージ、まだまだ続くよ。発売中のSeventeen7月号でチェックしてね!
撮影/神戸健太郎 スタイリスト/高野麻子 ヘア&メイク/長坂賢 モデル/飯豊まりえ(STモデル) 文/東美希 (Seventeen7月号)