10月11日は「国際ガールズ・デー」。「国際ガールズ・デー」とは、世界中の「女の子の権利」や「エンパワーメント(自分らしく力を発揮できるようにすること)」の促進を国際社会に広く呼びかけることを目的として国連により制定された日。
そんな大切な日に、ぜひ観てほしい現在公開中の映画を紹介するよ!

現代を生きる私たちの“日常”につながる、先輩女性たちの勇気ある闘い

バブル時代まっただ中の1989年、一人の女性が起こした日本初のハラスメント裁判の実話に着想を得た映画『ファーストボイス』。100%負けると言われた、前代未聞の裁判に挑んだ女性たちの奮闘を描いた作品だよ。
職場であからさまな“セクハラ”が横行しているけれど、みんなが空気を読んだり見て見ぬふりでスルーするのがあたりまえ。そんな時代に立ち上がった女性たちの物語は、女性の権利はもとより、働く人みんなの権利を守るための闘いなんだよね。

深刻なテーマを描いているけれど、クスッと笑える場面がいくつもあって、肩ひじ張らずに観られるのがイイ! なにより、綾瀬はるかさん演じる弁護士さんは、ブレない強さがあるのにすごくしなやかで穏やかで、そしてチャーミングなのだ♡

映画『ファーストボイス』で綾瀬はるか演じる朝日道子は弁護士であり三児の母
困った人を放っておけない道子はお金にならない案件ばかり引き受けてしまう

まずはストーリーをチェック!

困った人を放っておけず、お金にならない案件ばかりを引き受けてしまう、お人好し弁護士・朝日道子(綾瀬はるか)。三児の母であり、家庭に仕事に目まぐるしい日々を過ごしている。

そんな彼女のもとに、一人の女性・上原恵(ファーストサマーウイカ)が訪ねてきた。
職場で理不尽な嫌がらせを受け大好きな仕事も奪われたと訴える彼女。
会社と上司を提訴したいと朝日に弁護を依頼する。
それは前例のない「ハラスメント」をめぐる裁判であることを意味した。

朝日の事務所で働く新人弁護士・藤野栞(松本穂香)は、そんな裁判は勝ち目がないと引き受けることに反対する。しかし、朝日は「この裁判は必ず未来に繋がる」と立ち上がる。
それは“常識”と言う巨大な壁に立ち向かう、前代未聞な裁判だった。

映画の中で描かれている当時の女性たちの現実に、えっ!?と驚いたり、イラッとしたりするかもね。当時の女性たちを取り巻く状況をちょっとだけ解説するよ。

気になる見どころは?

●セクシュアル⁉

実際にあった「福岡セクシュアル・ハラスメント裁判」に着想を得た本作。今はあたりまえに「セクハラ」と言うけれど、当時はハラスメントと言う言葉も概念も一般的ではなかった! 映画の最初の方では、みんなが“セクシュアル・ハラスメント”と言い慣れない感じなのが新鮮。実際にこの訴訟をきっかけに“ハラスメント”と言う言葉が浸透したのだって。(ナント!)

この裁判をきっかけに「ハラスメント」という言葉が浸透した

●女は“腰かけ”?

当時の職場では、女性は結婚までの“腰かけ”として働くという価値観が強くて、結婚で会社を辞める“寿退社”と言う言葉まであった。ボディタッチ(通りすがりにお尻を触る! 仕事中に肩もみしながら話しかける!など)も挨拶がわり。「女のくせに」なんてのは常套句だった。本作の原告女性は、今で言う“しごでき女子”。それゆえに男性上司から煙たがれてしまったのだった。(ムカッ!)

綾瀬はるか主演!映画『ファーストボイス』の画像_4

●おしゃれは男ウケのため!?

映画の中では1980年〜90年代のファッションや髪型が、細部にいたるまで再現されていてファッション好きの人は注目。バブル時代に流行したボディコンシャス・ファッション(通称 ボディコン)は、男性を意識しているとか、軽い女性だと決めつけられることも。(サイアク!)

  • 鈴鹿央士は上原恵の元同僚・吉井隆を演じる。
  • 水川かたまり(空気階段)が演じる恵の上司・澤口裕人ら被告側の面々。

●胸アツの最終口頭弁論!

裁判は想像以上に大変で、観ているだけでも心が折れそうになる。被告側との対決はもちろんのこと、仲間うちでも気持ちにズレができちゃったりね。学園祭や部活など学校生活の中でも、ちょっとしたことでチームワークが崩れちゃう瞬間があるでしょ? そんな時に再びチームをまとめるものは何だろうって、参考になるかもね。そして圧巻は、キャスト陣も涙したという朝日弁護士の最終口頭弁論! 優しくも力強いメッセージはきっとみんなの胸にも響くよ!(ガッツ!)

キャスト陣も涙した朝日弁護士の最終口頭弁論

今では想像しがたい“常識”がまかり通ってる社会。
そんな中で声を上げて上司や会社を訴えることは、どんなに怖くて勇気が必要だったか。
先輩女性たちの勇気ある闘いがその“常識”に風穴をあけてくれて、現代の私たちの日常に繋がってるんだよね。映画を観てスカッとして感謝しながらも、「現代でも性別に関係なく、いろいろな人に不条理は存在してるかも?」と、考える機会になりそう。

映画『ファーストボイス』キービジュアル

映画『ファーストボイス』
絶賛上映中! 

出演:
綾瀬はるか
ファーストサマーウイカ 松本穂香
峯村リエ 山田真歩 工藤阿須加 水川かたまり(空気階段)/鈴木央士 迫田孝也 酒向 芳 
木村多江 筒井道隆

監督:前田哲
脚本:橋本裕志
音楽:富貴晴美

主題歌:『History』ちゃんみな(NO LABEL MUSIC /Sony Music Labels Inc)

公式サイト

©2026「ファーストボイス」製作委員会

映画での気づきを後押ししてくれる展覧会が開催されるよ!

集英社創業100周年記念
おしゃれするのは誰のため?展
 ファッション雑誌が映し出す時代とジェンダー

会期:2026年12月11日(金)〜2027年1月11(月)
会場:ヒカリエホール 東京都渋谷区渋谷2-21-1 渋谷ヒカリエ9F

いつの時代も、雑誌は私たちを取り巻く
社会の変化を映し出してきました。
集英社創業100周年にあたり開催する本展では、
1968年の「週刊セブンティーン」創刊から
約60年にわたって刊行してきた
ファッション雑誌のアーカイブをひもとき、
その歩みをたどりながら、
ページの中の女性像と男性像、
そしてジェンダー観の変化に目を向けます。
私たちは誰のために、何のために装い、
どのように生きてきたのでしょうか。
この展覧会が、 誰もが自由で多くの
選択肢を持つことができる未来への、
新たな1ページとなることを願って―――。

公式サイト

構成/鹿住恭子