近代看護の基礎を築いた女性たちの生きざまを、最終回までしっかり見届けよう!

“じゅったん”こと上坂樹里ちゃんに毎朝会えるのが楽しみなNHK連続テレビ小説『風、薫る』も、ついに最終回間近!
明治という激動の時代、まだ未知だった看護の世界を目指した一ノ瀬りん(見上愛)と小川[大家]直美(上坂樹里)。看護婦養成所で出会った、境遇も性格もまったく違う二人は、ともに看護に関わる中で心を通わせていき、やがて最強のバディに! 生後間もなく親に捨てられて教会で育った直美が、一ノ瀬家のみんなと家族になり、そして結婚や出産も経験していくのを見ていると、なんだかうれしい気持ちになったよね。演じた“直美の人生”について、じゅったんにお話を聞いたよ。

「演じるなかで、直美がどんどん愛おしくなりました」

——直美という役を演じてきての思いをあらためて聞かせてください!

最初は自分目線で読んでいた台本が、途中から不思議と直美として読み込めるようになっていました。直美として内から出てくる何かがあり、台本に書かれている表情が自然と出るようになりました。それはすごく不思議で、初めての感覚でした。
最初の頃は直美の言動でわからない部分も多かったんです。でも、りんを含めいろんな人と出会う中で直美の内面がどんどん変わっていき、それを演じていく中で、直美という役がどんどん愛おしく思えるようになりました。そして直美とともに私自身も同じように成長したと感じられました。1年という時間を使って一つの役を演じる“朝ドラ”ならではのことなんだろうなと思います。

——印象的なシーンがたくさんありましたが、実のお母さんとの出会いは特に胸に迫りました。最初に台本を読まれた時の感想を教えてもらえますか?

私は台本を読むまで、文さん(内田慈)が実の母親だということを知らなかったので、まさか文さんが!?と本当にびっくりしました。
それまで直美は、自分を捨てた母親に憎しみに近い気持ちを抱いていました。でも患者として母親と同じ身の上の夕凪さん(村上穂乃佳)と出会ったことで、母親に抱いていた気持ちが変わっていきます。捨てられたことではなく、ちゃんと産んでくれたことに意味があったんだと。

直美と吾郎(甲斐翔真)の微笑ましいシーン
台本の役名が「小川直美」に変わり家族を実感!

台本の役名が「小川直美」に変わっていて、家族を実感!

——直美と吾郎(甲斐翔真)とのシーンは微笑ましかったです。

吾郎さんは誰よりも真っ直ぐで誠実でピュアで、どこか放っておけなくなるような、そんな素敵な方でした。演じている甲斐さんも、お芝居に一生懸命打ち込まれている姿は、吾郎さんに通じるものがあって、そこに魅力を感じました。
吾郎さんの前ではつい笑ってしまう直美、という感じを意識していましたが、実際にお芝居をしていると自然と柔らかい表情が出せました。あるシーンで、直美が吾郎さんに対して素で笑っていたと監督に言われたこともありました(笑)。それはやっぱり吾郎さんの存在力のおかげだし、演じる甲斐さんご本人の人柄が出ていたからだろうなと思います。
登場人物にわりとクセの強い男性キャラクターが多かったんですが、スタッフさんの間でも吾郎さんが圧倒的に一番人気でした(笑)。
毎回、台本の最初には役名とキャスト名が並んで書かれているんですが、吾郎さんとの結婚後には“大家直美”から“小川直美”になっていたので、すごく感動してしまいました。吾郎さんと家族になるというのはこういうことなんだなと、それを見て初めて実感しました。

——結婚式のシーンでは、看護学校の仲間が集まりましたね。

久しぶりに看護学校のみんなと会えて、同窓会みたいな雰囲気の中ですごく楽しく撮影できました。
結婚式で吉江先生先生(原田泰造)と再会できたのもすごくうれしかったです。原田さんとは NHKの特集ドラマ『生理のおじさんとその娘』の親子役でご一緒していたので縁を感じていて、今回もすごく安心感がありました。現場でお会いするたびに、ちゃんとご飯食べてる? ちゃんと寝てる?と心配してくださって、その優しさ温かさにすごく救われていました。

母親になった直美

「直美という役からは、演じる以上のものをもらえた感覚です」

——直美は母親にもなりました!

私は今まで実年齢より上の役をやったことがなかったんです。第1週の時点で直美は同世代だったのが、週を重ねるにつれて直美の方が年上になっていくので、自分自身もそれと一緒に成長したいなと思っていました。
でも結婚、妊娠というのは未知の世界で、自分がちゃんとお母さんとして映るのか不安は大きかったです。なので、母に妊娠の時どうだったかを聞いたりしました。
実際にお腹を大きくすると普通に歩くのも難しかったりして、セリフ以外で苦戦することが多かったです。
でも、自然とお腹に手がいくようになったりしていて、それは初めての感覚だったのでびっくりしました。
実際に赤ちゃんを抱っこした時の、今まで感じたことのない幸せな気持ちとか、直美と同様に感じることができたのもまた不思議でした。直美と一緒に今まで人生歩んできたという、その結果がそんな風に繋がったんだなと思っています。

——これまで直美として生きてきたのは、どんな時間でしたか。

この1年間、直美の人生を背負わせてもらいました。同じ役を1年間演じるというのは長いかもしれないんですが、それ以上に、違う人の人生を生きた証を自分の体が一番感じています。演じる以上のものを、この直美という役からもらえたなという感覚です。
SNSのコメントでも“直美さん”って呼ばれるようになって、皆さんが直美として認識してくれていることがすごくうれしいです。

——河村ここあちゃんも新潟篇で出演して、ST読者には特別感のある“朝ドラ”でした

ここあちゃんとは同じシーンはなかったんですけど、リハーサルの時に一度だけ会えて。岩瀬常役を演じたここあちゃんの新潟篇を最初に観た時、私の知らないここあちゃんがいて、その姿にすごく刺激を受けました。ここあちゃんが撮影を頑張っているのを知っていたので、こうやって同じ作品の中で一緒に生きられたのはすごく光栄なことでした!

  • 岩瀬常役を演じた河村ここあ

——ドラマを通して看護に対してイメージが変わった点はありますか?

医療的なことだけじゃなくて、人と触れ合うことや観察する力、寄り添う力だったり、人との関わりがすごく大切なんだなと感じました。直美が“派出看護”を始めるにあたっても、受け入れてもらうまでに時間がかかったりして、当時の看護に対しての世の中のイメージは現代とこんなにも違うんだという点には驚きました。りんや直美が向き合ってきた「看護とは何か」という問い。撮影をご指導くださる経験豊かな先生方でも、初心に戻って看護とは何かを考える時があるとおっしゃっていました。きっと答えがないものなのかもしれないと感じています。

出征する夫を見送る直美
りんと直美はお互いにかけがえのない存在

STORY

明治時代。それぞれに生きづらさを抱えた二人の女性、一ノ瀬りん(見上愛)と大家直美(上坂樹里)。生い立ちも性格も違う二人が、当時はまだ知られていなかった看護の世界に飛び込んだ。ときにぶつかり合い、ともに悩みながら成長し、やがてかけがえのない存在に。

それぞれに看護を通して悩んだりしつつ、直美が設立した日本最初の派出看護(患者の自宅で看護する)「恵風看護婦会」で、ともに忙しく働く二人。夫の吾郎(甲斐翔真)が亡くなり、直美もまたりんと同じくシングルマザーになった。皮肉にも日清戦争をきっかけに看護婦たちの功績は広く知られることになった。でもその影響で看護婦会が乱立し、中には悪質な看護婦会もあることを心配する二人。
そんな中、直美とくされ縁の詐欺師・寛太(藤原季節)、かつて女郎・夕凪だったセツ(村上穂乃佳)、りんの前からいなくなったシマケン(佐野晶哉)、りんの元夫・亀吉(三浦貴大)と、さまざまな再会があり……。


近代看護の基礎を築いた人物をモチーフにしたドラマ『風、薫る』。
看護の世界を、女性たちの自立を、闘いながら切り開いた女性バディの足跡は、現代の私たちへと繋がる物語だよ。
Seventeenの卒業も発表になったじゅったんの活躍を、最終回までしっかり見届けたいね!

連続テレビ小説『風、薫る』メインビジュアル

連続テレビ小説『風、薫る』

NHK総合:毎週月曜~土曜 午前8:00~8:15
(再放送)午後0:45~午後1:00
※土曜は1週間を振り返ります。
NHK BS、BSP4K:毎週月曜~金曜 午前7:30~7:45
※NHK ONで同時・見逃し配信

【脚本】吉澤智子
【原案】田中ひかる『明治のナイチンゲール 大関和物語』
【音楽】野見祐二
【主題歌】Mrs.GREEN APPLE「風と町」
【語り】研ナオコ
【出演】見上愛、上坂樹里 ほか