エンターテイメント
2024.09.13

雪が降りはじめてから雪がとけるまでの、淡くて切ない小さな恋たちの物語。映画『ぼくのお日さま』は、あったかくて可愛い映画♡

吃音のある、アイスホッケーが苦手な少年。選手の夢をあきらめ、恋人の地元でアイススケートを教える男。コーチのことが少し気になる、フィギュアスケートの少女。田舎街のアイススケートリンクで、3つの心がひとつになって、ほどけてゆく・・・・・・。雪降る街を舞台に、フィギュアスケートを題材にした映画『ぼくのお日さま』。主演の越山敬達さんと、ヒロインの中西希亜良さんも、本格的な演技は今作が初めてなんだって。現役中学生でもある二人に、映画のこと、学校のことを聞いてきたよ!
 

スケートリンクから始まる恋

<ストーリー>

雪が積もる田舎街に暮らす小学6年生のタクヤ(越山敬達)には、すこし吃音がある。タクヤが通う学校の男子は、夏は野球、冬はアイスホッケーの練習にいそがしい。

ある日、苦手なアイスホッケーでケガをしたタクヤは、フィギュアスケートの練習をする少女・さくら(中西希亜良)と出会う。「月の光」(作曲:ドビュッシー)に合わせて氷の上を滑るさくらの姿に、心を奪われてしまうタクヤ。

一方、コーチ荒川(池松壮亮)のもと、熱心に練習をするさくらは、指導する荒川の目をまっすぐに見ることができない。コーチが元フィギュアスケート男子の選手だったことを友達づてに知る。

荒川は、選手の夢をあきらめ東京から恋人・五十嵐(若葉竜也)の住む街に越してきた。さくらの練習をみていたある日、リンクの端でアイスホッケーの靴のままフィギュアのステップをまねて、何度も転ぶ拓也を見つける。
タクヤのさくらへの想いに気づき、恋の応援をしたくなった荒川は、スケート靴を貸してあげ、タクヤの練習につきあうことに。

しばらくして、荒川の提案でタクヤとさくらはペアでアイスダンスの練習をはじめることになり・・・・・・。
 

Q. 演じた役柄の自己紹介をお願いします!

越山「僕が演じたタクヤは、吃音持ちの少年です。夏の野球でも、冬のホッケーでもチームに所属しているんだけど、あんまりやりたくもないのにやってるような、ちょっとさえない男のコです。でも、そんなコでも、あるきっかけで、毎日一生懸命に過ごすようになります」
中西「さくらは、フィギュアスケートをしている中学一年生の女のコです。無口というか、口数の少ないコで、いつも何を考えてるのかわからないですが、スケートが好きでずっと頑張ってやっています」

Q. 演じる上で大事にしていたのはどんなことですか?

越山「吃音には軽症から重症まで種類があると学び、このシーンではこの種類の、どれくらいの、ってシーンごとに話し方を意識していました。荒川先生(池松壮亮)に”ありがとう”と言う時も、緊張する気持ちが強いときと、そうでないときと使い分けたり」
中西「私は、無表情をずっとキープするのを意識していました。結構ずーっと何も言わずにスンとしていることが多いんですが、それがちょっと難しくて、途中ちょっと笑っちゃったりしたこともありました(笑)。荒川先生と3人での湖のシーンがあるんですけど、そこは大爆笑してもいいって言われて。そこではふざけても全然大丈夫だったので特に意識することなく、楽しく、自分らしくできたので、撮影するのも楽しかったです!さくらは、結構前からよく知っている荒川先生に対しても全然ゆるんだところを見せていなかったり、タクヤともそんなに仲良くないのに、こんなに気持ちをほぐす面があるんだなという部分が見られます。さくらが笑っているシーンはそこだけなので、すごく楽しかったし、一番好きなシーンです!」
越山「僕は、好きというか一番思い出に残ってるシーンは、学校の屋上のシーンかな。その日は晴れたり曇ったり、天気がぐちゃぐちゃで」
中西「そうだった」
越山「でも完成した映像では空がすごくいいコンディションになっていたので想い出に残ったかな」
中西「うん、撮影の時はどう映ってるのかわからないままだったけど、完成したらすごくキレイな絵になっていて、すごいなぁと思った」

Q. スケート経験のあるお二人でも、演技としてのフィギュアスケートは大変だったのでは?

中西「振り付けとかコースとかが決まっていたので、それをどうキレイに見せるかを意識していたら、それが演技につながっていくという感じでした」
越山「スケートをしながら何テイクも重ねたことは大変でしたが、それが報われるステキな映像になっています!」
中西「監督もフィギュアスケートの経験があって、スケート靴をはいてカメラを持って、撮影しながら滑っていたんです。。重いカメラ持って滑っているのに、映像が全然ブレてないんですよ!時々ぶつかりそうになった時もあったけど(笑)」
 

初共演の二人は中学生!初対面の時の第一印象は…。

Q. お二人は今回が初共演ですね。お互いの印象は?

中西「越山くんとは、オーディション的なところで一回会って、少しお話ししただけだったので、撮影現場ではほぼ初対面でしたね。結構クールな感じで、余裕そうにしてたんで、尊敬って感じでした。私は緊張するタイプなので、その感じがすごいなぁっていうのが第一印象。でも撮影していく中で、クールな時はクールだけど、話していると楽しいし、友達になれました」
越山「最初は、マジであんまりしゃべらないおとなしいコと言う印象だった。でも今は、普通の明るい中学1年生って感じです(笑)」
中西「(笑)」

Q. お二人とも中学生ですが、学校でのことを教えて!

越山「僕は中学3年生です。学校は、、普通です。得意な教科は道徳かな、成績がつかないから(笑)」
中西「私は中学1年生です。学校、めちゃくちゃ楽しいです!得意教科は英語かな。インターナショナルスクールに通ってたので、話せるから楽勝なんです(笑)。でも最近は数学とかが好きかな。学校では、みんなTikTokで流行ってるダンスとかをずっと踊ってますね。私は追いついてないんですけどね(笑)」
越山「学校で流行ってること?う〜ん、あんまりないかなぁ。クラスのみんなとは、課題終わった?見せて!みたいな他愛もない話をずっとしてるかな」
 

Q. 将来の夢は?

越山「僕は、俳優もアイドルもモデルもしているので、これだけと決めないで、いろんなところで活躍できる人になりたいなと思っています」
中西「私はこの映画が演技がはじめてだったのですごく緊張しましたが、撮影がすごく楽しかったので、こういうお仕事をもっとやってみたいなって思っています」

Q. ではST読者にメッセージを!

越山「この映画は、監督自らカメラを回して撮っていて、特にスケートシーンでは、監督もスケート靴を履き滑りながら撮影していて、『ぼくのお日さま』でしかみられない臨場感あふれるシーンになっていると思うので、そこに注目してほしいです」
中西「真冬の北海道の、雪の降っている寒い中で撮った映画ですが、心があったかくなる映画なので、みなさんに楽しく観てもらえるとうれしいです!」
 

<PROFILE>

こしやまけいたつ●2009年4月21日生まれ、東京都出身。ドラマ『天狗の台所』(BS-TBS)でメインキャストのオン役に。EBiDANの研究生「EBiDAN NEXT」としてアーティスト活動や「ニコ☆プチ」でモデルとしても活躍中。映画『ぼくのお日さま』で映画初主演。スケートは4歳の頃から習っていた。

なかにしきあら●2011年6月16日生まれ、東京都出身。映画『ぼくのお日さま』が初演技作品。劇中で披露しているフィギュアスケートは、4歳から現在まで習っている。特技は、ダンス、語学(英語、フランス語、韓国語)など。自称 K-POPオタクで「最近は、デビューしたての男子グループ”TWS”が好き!」
 

少年と少女の初々しさと雪景色の美しさと!

<勝手に注目ポイント>

●カンヌ映画祭でスタンディングオベーション
本作の奥山大史監督は、映画、ドラマ、MVと、多方面で活躍し世界各国から期待される新鋭監督。『ぼくのお日さま』は、第77回 カンヌ国際映画祭オフィシャルセレクション「ある視点」部門に、日本作品で唯一正式出品された作品。公式上演後はスタンディングオベーションが約8分間も続いたんだって!大喝采だね。

●主題歌「ぼくのお日さま」が心にしみる
映画タイトルの「ぼくのお日さま」は、ハンバート ハンバートというデュオが2014年に発表したアルバムに収録されている楽曲名。監督がこの曲に出会ったことで主人公像がはっきり浮かび、物語が動きだしたのだとか。ハンバート ハンバートは、これまで何度も主題歌オファーがあっても断ってきていたこの大事な曲を、監督からの手紙を読んで快諾。そして映画タイトルにも主題歌にもなったという経緯が。映画館ではエンディングのタイトルロールをこの曲とともに最後まで観てほしいな。

●なんと監督はスケートしながら撮影!
フィギュアスケートを題材にした映画なだけに、キャストの越山さん、中西さんもスケート経験者なのはもちろん、実は奥山監督も子供の頃にフィギュアスケートを習っていたんだって!監督はカメラを持って実際に滑りながら撮影していた、と中西さんが驚いていたけれど、だからこその映像の迫力や流れるような美しさも観られるよ。ちなみに、スケートコーチ役の池松さんは、氷の上に乗ったこともなかったんだって。それを半年間みっちり練習して見事にコーチの滑りに!さすが!

●少年と少女の淡い恋と、大人たちの愛と
アイスホッケーの少年とフィギュアスケートの少女の初々しさにキュンとするとともに、注目したいのが荒川先生(池松壮亮)と恋人の五十嵐(若葉竜也)の二人。実家のガソリンスタンドを継ぐために東京から戻ってきた五十嵐と、フィギュアスケート選手を引退して五十嵐の地元のスケートリンクで働く荒川先生。大人の穏やかで深い愛と葛藤にもまたキュンときちゃう。

●冬の湖での3人の幸せな時間がステキ
中西さんが「さくらが笑っているシーンはそこだけ」と言っていた湖のシーン。凍った湖で荒川先生とタクヤとさくらの3人が楽しそうにしているところは、観ているとすっごくうれしい気持ちになってくるステキなシーンだよ。お楽しみに!
 

『ぼくのお日さま』

9月13日(金)より全国公開

監督・撮影・脚本・編集:奥山大史
主題歌:ハンバート ハンバート「ぼくのお日さま」
出演:越山敬達 中西希亜良 若葉竜也 山田真歩 潤浩 池松壮亮

公式サイト https://bokunoohisama.com
公式X(旧Twitter) https://x.com/bokuno_ohisama
公式Instagram https://www.instagram.com/bokuno_ohisama/
 

©2024「ぼくのお日さま」製作委員会/COMME DES CINEMAS 撮影/髙橋明宏 構成/鹿住恭子

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