気になる18歳！奥平大兼くんに映画『マイスモールランド』について聞いたよ

5⽉6⽇から上映される日本＆フランスの共同制作映画『マイスモールランド』に出演している俳優・奥平大兼くんにインタビュー。映画で演じてる役は“いいヤツ”すぎるらしい？　そして奥平くん本人は、自分がテレビに映るとチャンネルをとっさに変えちゃうらしい♡

絵が好きな奥平くんならではの追加シーンも

17歳のサーリャ（嵐莉菜）は、日本で育ったクルド人。言葉も食も信仰もクルド人の誇りを大切に生活していたが、家を一歩出れば同世代と何ら変わらない日本の高校生活を送っている。家族に隠して始めたバイト先で知り合った聡太（奥平大兼）には、初めて自分の生い立ちを話すことができた。そんなある日、サーリャたち家族の難民申請が不認定になった知らせが届く。そして父は入管施設に収容されてしまい…。

──嵐莉菜さんと奥平くんのシーンは、撮影前からかなり時間をかけてつくりあげたとか。

「僕もそんなに経験があるわけではないんですけれど、莉菜さんは映画が初めてだったので、撮影に入る１か月前からワークショップをやっていました。莉菜さんがどういうお芝居をするのか、僕と合わせたらどうなるのか、監督も見たかったらしく。その期間にたくさんお話ができたので、すごくいい時間でした」

──“聡太”はどんな人物？

「本当にいいヤツ。その一言につきます。なんでも一度受け止めてから理解しようとするのはいいことだなと思いましたし、見習うところが多いです。映画を観た人が、聡太みたいな考え方っていいな、と感じてもらえたらうれしいですね。監督が役を僕に寄せてくれた部分もあるので、演じるのはすごく楽しかったです」

──奥平くんが絵が好きと聞いて、聡太の設定や描くシーンが追加されたそうですね。

「絵を描くシーンはめちゃめちゃ楽しかったです！　お芝居というより、僕と莉菜さんが描いているところをカメラがただ撮影する感じで。セリフがあるところはもちろん“聡太”と“サーリャ”を意識していましたが、描いている最中はとにかく思いっきりやりました。こういう瞬間が彼らにとって救いになると思える、心あたたまるシーンになりました」

──撮影現場の雰囲気は？

「僕はムードメーカーになるタイプではないんですが、莉菜さんはわりとそっち側かな。オンとオフがしっかりしてて、やるときはしっかりやる、でもカメラが回っていないときは楽しそうにすごしてて。僕もいっしょに楽しんでましたね。バイト先の店長役の藤井隆さんがすごくおもしろかったり、サーリャの弟役くんも可愛かったりして、アットホームで。笑顔の多い現場でした」

「この作品を通して役者として成長できたと思います」

──今作が映画としては2作めです。

「ありがたいことに、最初の映画をみなさんに評価していただけて。うれしかったんですが、また同じようにできるかと言われたらできないお芝居への評価だし、複雑な気持ちでもありました。つまずくというか演技について考えすぎて、迷走していたとこもありました。でも今回、監督にそんな気持ちも洗いざらい話すことができて、初心にもどれたというか、はじめのころはそんなことを考えずにお芝居をしていたな、と思い出せました。この映画の現場を通して、役者として作品への向き合いかたが変わりましたね。以前よりちょっと成長できたかなと思います」

──ドラマやCMでも活躍中ですね！

「ふいにテレビに自分が映ると、わっ！ってなってチャンネルを変えちゃいます（笑）。まだ恥ずかしさがあって… そこはなかなか慣れないですね（笑）」

──最後に『マイスモールランド』の見どころをお願いします。

「社会的なテーマを持った映画なので若い人にはとっつきにくい印象があるかもしれません。でも、置かれた環境はちがっても、10代が家族のことで悩んだりするのはみんな同じです。サーリャと聡太のふたりの関係性は、Seventeen読者のみなさんにも考えさせるところがあると思います。僕としては、聡太の性格や考えかたを知るだけでも勉強になると思います… 本当にいいヤツなんですよ（笑）」

Profile
おくだいらだいけん●2003年9月20日生まれ、東京都出身。2020年に映画『MOTHER マザー』で俳優デビュー。演技未経験の初オーディションながらメインキャストに大抜擢されたこの作品で日本アカデミー賞など数多くの映画賞で新人俳優賞を受賞した。ドラマ『サヨウナラのその前に』『卒業式に、神谷詩子がいない』などに出演。（公式Instagram @okudairadaiken_official）