エンターテイメント
2021.04.03

実は「ミスセブンティーン」出身! 高堰うららさんインタビュー

2012年のオーディションに合格し2016年まで“STモデル”として活躍していた、高堰うららさん。慶應大学を卒業後、現在は東大の大学院で研究をしながらNPO法人のボランティア活動などでも大活躍中! そんな高堰さんにとって、『ミスセブンティーン』にはどんな思いがありますか?

ミスSTに応募したきっかけ

「7歳のときに父親の仕事の関係でアメリカに引っ越し、中学3年生までワシントンD.C.で過ごしました。帰国してすぐのころ、ファッション好きな妹に誘われ『ガールズアワード』を見に行った会場で芸能事務所の方にスカウトされたんです。当時の私はスポーツと勉強に夢中で、芸能界への関心はなし。でも母親から“大学までの数年間だけチャレンジしてみたら?”と言われ、新しいことに挑戦するワクワクを感じて所属することにしました。その直後にすすめられたのが『ミスセブンティーン』のオーディションでした。“ダメもと”くらいの気持ちで応募したので書類審査を通過したことだけでも驚いたし、面接とカメラテストにまで進んで… 奇跡的に合格! 今思うと、期待がゼロだったからこそリラックスして自分をアピールできたのかもしれませんね(笑)」

モデルデビュー

「それまでの7年間、ほぼ英語しか使わない生活を送っていたせいで、STモデルになったときの日本語は片言レベルでした。1年ほどは撮影現場で飛びかう言葉が理解できずに苦労して。敬語も使えず、スタッフさんにタメ語で話しかけたり先輩を呼び捨てにしたりして何度も注意された記憶があります(笑)。セブンティーンのお仕事のおかげで日本の社会と文化を学べたので、私にとっては学校のような場でした。
 デビューしてみたら、多方面から“おめでとう”とか“応援してます”という声援をいただいて、あらためてミスセブンティーンの知名度にびっくり。私がディベート大会に参加していることを知って、“私も参加したいと思いました”なんてメッセージをもらったり。同じ興味関心を持つ人たち以外には届きづらいアカデミックな分野での活動をはるかに上回る影響力に圧倒されたのを覚えています。将来は国連で働き、社会を変えたい! という目標を抱いていたので、“ST㋲”の影響力に気づいて、この経験を最大限に活用するためにもモデルとして成長しなければ! と思い始めました」

コンプレックスと「偏見」

「それまでファッションやメイクに触れていなかった私にとって、洗練されたモデル仲間のみんながとにかくまぶしかったですね。同じ年代とは思えないほどプロ意識が高くて、レベルの差にがく然としました。サッカー部でかなり日焼けをしていたから、誌面でも私だけがすごく浮いて見えていて。自分は場違いなんじゃないか、というあせりから美白効果があるというビタミン剤を飲んだり、化粧品を使ったり、真夏日でもスキーマスクに帽子、長袖で部活の練習をするようになりました。
 外見にコンプレックスを抱くのは初めての体験で、正直、辛かった。そんな私を救ってくれたのは読者からのファンレター。“肌が焼けていても輝けるとわかって勇気が出ました”という言葉をもらうことが多く、悩んでいるのは自分だけじゃないんだ、と逆に私が勇気をもらいました。同時に、肌の色などによって『美しさ』とされるものが偏っていることにも気づいて。自分を含め、その基準に当てはまらなければかわいくない、と感じてしまう社会ってどうなんだろう? と問題意識を抱くようになりました。
 もうひとつ気づいたのは、“見た目に気を使う=表面的”という偏見の存在です。特にそれを感じたのは、国際ディベート大会やスピーチコンテストなどの環境でした。モデルとして外見を磨こうとするようになってから、そういった場で関わる人たちの対応が軽くなったというか… どこか見下されているような印象を受けることが多くなったんですよ。でも思い返せば自分自身だって、モデルになる前は“マジメ=勉強に熱心”ってイメージがあったなと。ファッションやメイクが好きな人は政治に興味がないはず、キラキラしているコと自分は活躍する世界が違う──とか、実はステレオタイプを抱いていたんですよね。実際にはおしゃれと勉強を両立している人なんてたくさんいるのに! 美しさの偏った定義、外見による偏見をリアルに体感して、考えかたがガラリと変わりました」

あこがれの人と接して…

「いろいろな葛藤から解放されるきっかけとなったのが、あこがれだった西内まりやちゃんと共演した英会話レッスンの企画でした。まりやちゃんはすでにセブンティーンの看板モデルで大ベテラン。どんなポーズも完璧にこなしているのに、こまめな写真チェックを怠らないだけでなく、私のポージングまで見てくれて。撮影の合間にも話しかけてくれて、音楽活動のために英語を勉強していることや興味があること、がんばっていることなどを教えてくれたんです。初めはまりやちゃんをうらやましく思っていました。美人で、肌が白くて、完璧なスタイル。トップモデルになるべくして生まれてきたような人だなって。でも、人の何十倍もまりやちゃんが努力していることを知って、私こそが甘かったと実感しました。どんな分野でも努力なしにトップになることはできないし、情熱的に好きなことを極める姿勢そのものが輝きにつながるんだなって。
 セブンティーンにはモデル業だけでなく女優、歌手など様々な分野で活躍している子たちがいて、それぞれが目標に向かってがんばっている。ひとりひとり才能も魅力も違うし、それを生かす場も伸ばす方法も違う。だからこそ個性が引き立つし、人と自分を比べても無意味! そう思えるようになったら、心のモヤモヤがじょじょに消えていきました。“モデルはこうあるべき” “認められるレベルの大学に行かなければ”というプレッシャーがなくなって、自分が最も輝ける道を探そう! と思うようになりました」

STモデルを卒業後

「モデルの仕事で得た意識や学びを発信すれば、日本のティーンのエンパワーメントになるのでは? と考えていた一方で、意見が定まらずに経験と知識の不足も痛感していました。そして自分はあくまでモデルだから企画を立案する立場にもないし、私の意見がフィーチャーされるほどの人気も、そのための努力もしていなかった。社会を変えることをめざすなら、まず正しい知識を身につけ、ものを作り出す立場にならないと。そう確信しました。
 慶應大学の法学部で学びながら、学生の支援を行うNPO法人を立ち上げたり、さまざまなボランティア活動に携わったり、積極的に活動しました。中高生とふれあう機会では、私が元STモデルということで親近感を抱いてもらえましたね。ST時代の経験を話したら、どんどん質問をしてくれたし、悩みを打ち明けてくれた子も。卒業してからもセブンティーンの影響力や偉大さを日々感じています。
 今は東京大学大学院の工学系研究科で、都市計画を研究中。組織やプロジェクトのリーダーを務める立場になり、活躍する女性の少なさには寂しさを感じています。年下の人たちの相談にのったり、勉強やキャリアをサポートしたりする中で、どうしたら心に響くアドバイスができるだろう? と悩んだときには、必ずセブンティーンの誌面を参考にしているんですよ。ティーンに刺さるような工夫をこらされた企画の数々には、いつもハッとさせられます」

画像は高堰さんのインスタグラム(@t.urarahope)より。NPO法人での活動がテレビのニュース番組で取り上げられたりも!

高堰さんにとって“ミスセブンティーン”とは

「視野も行動も広げてくれた、人生最大で最高のハプニング! 中高生が人生をそこまで変えられるチャンスはめったにないから。受けて大正解だったし、あのとき説得してくれた母には感謝しています。大きな期待と責任を負うし、悩みもたくさんあったけど… 今ふりかえると、すべてがポジティブな結果につながっているんです。
 学業や部活動の比重を減らせば、もっとモデル業に集中できた。だけどそれらも同時にがんばっていたおかげで特技を生かした企画を作ってもらえたし、自分らしく活躍できたと思うんです。ひとつ残念なのは、途中で自信を失ってしまったこと。あの時期がなければもっとポジティブなメッセージが発信できたはず… それがまた成長につながったとも思うので、断言はできませんけどね(笑)」

応募するコへのメッセージ

「ミスセブンティーンのオーディションはもちろんのこと、これからの人生で挑戦できることにはすべて挑戦してほしいです! やる前に悩んでいたら可能性の扉は閉じたまま。“両立できないかもしれない” “私では活躍できないかもしれない”と感じたら、大きな声で“両立する!” “活躍してやる!”と宣言してみてください。私はそうやって自分の負けず嫌いを刺激していました(笑)。応援しています!」

たかせきうらら●1997年12月26日生まれ、東京都出身。高校卒業後、慶應義塾大学法学部 政治学科へ進学。東京大学大学院 工学系研究科に在籍中。

しめきりは4/14(水)!
応募方法などの詳細はこちら
「ミスセブンティーン2021」特設サイト
https://st-channel.jp/missst2021/

撮影/山崎ユミ 構成/中西彩乃

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