朝起きられない、将来について不安…。JKから寄せられたお悩みに専門家が答えるよ。しっかり読み込んでみて。

教えてくれたのは……

「ことのは心理療法オフィス」 臨床心理士・公認心理師 
川島梨瑛先生

行政の心理職や精神科クリニックなどで経験を積み、自身のオフィスを開設。オンライン中心にカウンセリングを行うほか、大学でも臨床心理士として活躍中。

せたがや内科・神経内科クリニック
久手堅 司先生

気象病・天気病、自律神経失調症、寒暖差疲労など、複数の特殊外来を開いて、患者の心身の悩みに寄り添った診療を行う。『気象病ハンドブック』など著書多数。

INDEX
  1. お悩み① 早く寝ても朝起きられないし、たっぷり寝ても眠いです。どうすればスッキリ目覚められますか?(あか・高2)
  2. お悩み② 進路希望調査が目前で、将来について不安だらけです。どうすれば心が落ち着きますか?(まり・高2)
  3. お悩み③ 季節の変わり目は体調をくずしやすくて困っています。元気に過ごすには、どんなことを心がけたらいいですか?(のん・高2)

お悩み① 早く寝ても朝起きられないし、たっぷり寝ても眠いです。どうすればスッキリ目覚められますか?(あか・高2)

早く寝ても起きたい時間に起きられないし、どれだけ寝ても眠い……。どうすればスッキリ起きられる ようになりますか?

睡眠のお悩み

睡眠の質を上げることが大事。 そのために、就寝前はスマホと距離をおいたり、ゆっくり湯ぶねに浸かったりするのがおすすめです (久手堅先生)
スッキリ目覚めるには、睡眠の質を高めることが大切。そのために心がけたいのが、規則正しい生活です。日中は太陽を浴びて適度に体を動かし、夜は就寝3時間前までに夕食を済ませましょう。湯ぶねにゆっくり浸かって副交感神経を優位にすることも、よい睡眠につながりますよ。さらに、スマホの光は脳が覚醒して眠りをさまたげるので、就寝1時間前から使用を控えましょう。生活習慣を整えても朝スッキリ起きられない場合は、女性や若い人に多い“低血圧”が原因のことも。保健室で血圧を測り、極端に低ければ内科を受診してください。

お悩み② 進路希望調査が目前で、将来について不安だらけです。どうすれば心が落ち着きますか?(まり・高2)

私は高校2年生で、そろそろ進路を決めないといけない時期です。夏休み明けには進路希望調査を控えていて、将来についての不安がたくさんあります。心を安定させる方法があれば知りたいです。


朝晩やスキマ時間に、 マインドフルネスの時間をとって深呼吸してみて。白湯を飲んだり、首や肩甲骨を軽くストレッチしたりするだけでも、心と体がゆるみますよ(川島先生)
不安をかかえながらも、しっかりと進路に向き合って前に進もうとしていて素敵です。どうか、自分のことを誇ってくださいね。気持ちが落ち着かない時は、『マインドフルネス』を試してみてください。これは、“今この瞬間”に意識を向ける方法で、スキマ時間にゆっくり深呼吸するだけで心が落ち着いていきます。最近は、マインドフルネスのやり方を教えてくれる本やアプリもたくさんあるので、ぜひチェックしてみてください。そのほかにも、白湯を飲んで体を内側から温めたり、首や肩を軽く回してストレッチするだけでも、こわばった体がゆるんで気持ちがほぐれますよ。

『子どものためのマインドフルネス』キラ・ウィリー著、アンニ・ベッツ イラスト、大前泰彦訳(創元社)

『子どものためのマインドフルネス』キラ・ウィリー著、アンニ・ベッツ イラスト、大前泰彦訳(創元社)

30種類のマインドフルネス・エクササイズを優しく解説した絵本。

お悩み③ 季節の変わり目は体調をくずしやすくて困っています。元気に過ごすには、どんなことを心がけたらいいですか?(のん・高2)

季節の変わり目になると倦怠感や頭痛といった体調不良に悩まされています。 どうすれば元気になれますか? これからの季節を乗り切るためのいい方法が知りたいです!

温度差のお悩み

季節の変わり目は、温度差や気圧、湿度の変化による不調が出やすい時期。まずは、自分が どんな時にどう体調が悪くなるかを知ることが大切ですよ(久手堅先生)
季節や天気の変わり目は、寒暖差や気圧、湿度の変化によって自律神経が乱れやすく、頭痛、めまい、倦怠感、気分の落ち込みなど、さまざまな体調不良を引き起こすことがあります。まずは、自分が『どんな時に、どんな症状が出やすいのか』を把握することが大切です。例えば、気圧の変化による不調を予測・記録できるアプリ『頭痛ーる』を使えば、頭痛にそなえて鎮痛剤を準備するなど、事前に対策をとることができ、体調管理がしやすくなります。また、あらゆる不調を和らげる方法としておすすめなのが、“耳のマッサージ”。まずは、両耳を持って水平に伸ばして10秒キープします。次に斜め対角に引っ張り10秒キープ。そして耳たぶを持ち、前後に5回ずつゆっくり大きく回します。これだけで血行がよくなり、自律神経が整って、症状の改善が期待できます。もし日常生活に支障をきたすほど不調が続く場合は、内科の先生に相談してください。


おすすめアプリ『頭痛ーる』
気象予報士が作った、気象病対策アプリ。気圧の変化で体調がくずれそうなタイミングをお知らせしてくれるほか、痛みの度合いや服薬・生理の記録もできるから体調管理に役立つ。
  

先生たちのアドバイス、参考になるといいな。

イラスト/桃源ゆき(@yuki_chan_dna) 構成/海渡理恵