教えて上野先生! 学校で怒られるのは男子ばかり⁉
同じことをしても怒られるのは男子ばかりってヘン! そんな素朴なギモンを、女性学のレジェンド・上野千鶴子先生に聞いてみたよ。話しを聞いた花恋&ST読者代表のみんなは、意外な展開にびっくりしつつも納得!
<今回のお悩み>
「学校で、女子は男子と同じことをしても、男子より怒られなかったり、スルーされたりします。男女ともに対して、失礼じゃないですか?」(こまつな・高1)
女子の教育に手を抜いてます!
(上野先生)まっとうな意見だね。みんなはどうしてだと思う?
(智美)先ほど先生がおっしゃっていたように、男子は鈍感力が強いからですかね?
(上野先生)女子は繊細だから怒りにくいってことか。
(花恋)もしくは、女子を男子よりも低い立場に見てるからなのかな……。
(上野先生)それはあるかもね。
(智美)私の学校は、女子がとにかく強いんです。団結して、先生にも抗議したりするので、それを恐れる先生もいるのかな〜と思いました。
(上野先生)へえ、おもしろい! 同じ年代で真逆の意見が出たね。ここからは、私の個人的な意見。教師の立場で考えたときに、怒るって、すごくエネルギーを使うのよ。つまり、怒らない=手抜きをしてるんじゃないかな。男はちゃんと育てなきゃいけないけど、女はそこそこでいい、っていう考え。
(音海)怒られなくてラッキー!って思う女子もいそう……。
(上野先生)期待されていないってことだよ? 決してラッキーではないよね。
上野千鶴子さんってどんな人?
うえのちづこ●'48年7月12日生まれ、富山県出身。東京大学名誉教授であり、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)の理事長。
家庭内で権力をにぎる父親の存在に疑問をいだき、社会学者の道へ。当時、日本ではまだ存在していなかった女性学、ジェンダー論の分野を開拓してきたスゴい人だよ。
主な著書に『家父長制と資本制―マルクス主義フェミニズムの地平』(岩波現代文庫)、『女ぎらい』(朝日文庫)、『女たちのサバイバル作戦』(文春新書)などが。
撮影/加藤ゆき モデル/大友花恋(STモデル) 構成/中西彩乃