![教えて上野先生! じぶんの好きなことしてるだけなのに⁉](https://img.seventeen-web.jp/image/archive/d7d0affd-6aba-4983-a202-d58b8a68bcca.png)
教えて上野先生! じぶんの好きなことしてるだけなのに⁉
<今回のお悩み>
鈍感力を身につければ嫌みもへっちゃら! ただし、嫌なことに慣れすぎないよう注意
![教えて上野先生! じぶんの好きなことしての画像_1](https://img.seventeen-web.jp/article/parts/image/archive/a75b4cda-5328-48b4-a122-63dba342b98d.png)
(上野先生)そもそも、料理や手芸=女子力っていう公式がおかしいよね。男子だってできることなのに。
(花恋)しかも、モテアピールみたいになっちゃってる。
(上野先生)明らかに相手は、皮肉として言ってるってことだよね。だからこの子も、ホメ言葉として素直に受け取れない。
(花恋)その裏にある感情を読んじゃう。
(上野先生)内心はどうであれ、にっこり笑って「じゃあ〇〇ちゃんもやったら?」って返すのが一番だけど。
(花恋)それはハードルが高いかもです(笑)。
(上野先生)それは、相手に嫌われたくないからだよね? ちなみに、男子に比べて女子のほうが孤立を恐れる理由に、〝女らしさ・男らしさの社会化"を受けていることがあげられるの。簡単に言うと、「男はこうあるべき、女はこうあるべき」という規範のすり込みね。そのなかで女の子は、「人に愛されなければいけない、人と円満な関係を結ばなければいけない」という教育を、男の子よりもたくさん受けているの。知らず知らずにね。だから人間関係への関心がより強いし、悩みも多い。
(花恋)なるほど。
(上野先生)対して、男の子は人の感情に鈍感。悪く聞こえるけど、鈍感力って自分を守る術のひとつだから。今回の件でも使える、万能なコミュニケーションスキル。
(花恋)そのとおりですね。ただたまに、鈍感力で身を守っているフリをしている自分がいて……。
(上野先生)まさにそうなの。「このくらいへっちゃら!」と思うように努力を続けていると、鈍感力が必要以上に成長して、イヤなことをイヤだと思えなくなっちゃう。この〝鈍感力の副作用"がセクハラを受けたときに生じると、どんどんエスカレートして大変なことになるから。気をつけてね。
上野千鶴子さんってどんな人?
![教えて上野先生! じぶんの好きなことしての画像_2](https://img.seventeen-web.jp/article/parts/image/archive/097e6ca8-2c7b-4dbc-99bf-fc4b27395f15.png)
うえのちづこ●'48年7月12日生まれ、富山県出身。東京大学名誉教授であり、認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク(WAN)の理事長。
家庭内で権力をにぎる父親の存在に疑問をいだき、社会学者の道へ。当時、日本ではまだ存在していなかった女性学、ジェンダー論の分野を開拓してきたスゴい人だよ。
主な著書に『家父長制と資本制―マルクス主義フェミニズムの地平』(岩波現代文庫)、『女ぎらい』(朝日文庫)、『女たちのサバイバル作戦』(文春新書)などが。