今は世界とネットでつながっちゃう時代。でも、まだまだ知らない部分もたくさんあるはず。紛争が起きて危険と隣り合わせの地域。貧困のため学校に通わず働く子ども。でも、みんなただ「かわいそう」な人たちじゃなく、うちらと同じように日々笑ったり怒ったりして生きてる。そんな人たちのことを本を通じて知ることで、世界がもっと身近になって、もっと広がるはず。

忘れてない?「自分の意志」で人生を選べるってこと

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「児童労働」とは子どもが働くこと。家計を支えるために働きに出ることで、子どもは勉強する機会を失われてしまうし、危ない環境での仕事でケガをしたり病気になったりすることも。何より「自分の生き方を自分で選べない」ことが問題! この本では、児童労働をなくす支援を続けている団体のスタッフが、実際にかかわった人たちのストーリーを紹介。働くのをやめて学校に通うことで、子どもたちや、まわりの大人の人生が大きく変わっていったのがわかるよ。「自分の意志で生きること」そして「勉強すること」の大切さを感じる一冊!
『チェンジの扉~児童労働に向き合って気づいたこと~』認定NPO法人ACE(著)、安田菜津紀(写真) ¥1400/集英社

「恋」目線でのぞくアフリカのリアルライフ

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ソマリアは東アフリカにある国。国といっても、1991年に内戦が起きて国はバラバラに。その流れの中、91年に独立宣言したのがソマリア北部の「ソマリランド」。内戦が続いて「世界一危険な国」なんて言われたりする中でも、ソマリランドは比較的落ち着いていたんだって。そんなソマリランドとそこで暮らすソマリ人に惹かれて、取材を続けてるのがノンフィクション作家の高野さん。ソマリ人に「恋」しちゃった高野さんの実体験からソマリ人やソマリランドのことが見えてくるよ。全然知らないはずの国や人のことも、「恋」目線で語られると、なんかハマれる。
『恋するソマリア』高野秀行 ¥680/集英社文庫

「紛争」を「遠い国の出来事」で終わらせないために

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「国境なき医師団」って聞いたことある? 紛争や自然災害などで医療サービスを受けられない人々に向けて、無償で医療を提供する国際団体。2010年から「国境なき医師団」に参加してる看護師の白川さんのシリアや南スーダン、イエメンなどでの活動の様子を読むと、なんとなくテレビで観たり、教科書で読んだりする世界の「紛争」っていうのが、どういうものなのかぐっと現実的に。こういう地域のために、自分が何ができるのか考えるきっかけになりそう。
『紛争地の看護師』白川優子 ¥1400/小学館
構成/古川はる香