
JKのセクハラ問題 基礎知識&お悩み相談
世界に広がっている「#MeToo」運動。セクハラ問題を考えるために、読者のみんなからの相談にセクハラの専門家がお答え! 対応方法や、今後防ぐための対応方法を教えてもらったよ。
Q セクハラの定義って?
相手の意に反した性的な言葉や行動、すべてをさします。加害者の多くは男性ですが、女性が男性・同性に対してセクハラを行うケースもゼロではありません。
なぜ学校でのセクハラはなくならないの?
最大の原因は、学校が持つ〝構造的な権力"にあります。学校は、指導者が偉く生徒が弱いというヒエラルキーが明確。教える側と教えられる側では持つパワーがまったく異なり、そういった力関係が、セクハラが起きやすいシチュエーションを作っています。また〝ジェンダーバイアス"にとらわれた考え方も、大きな要因のひとつ。ジェンダーバイアスとは、〝男はこう、女はこう"というような、性別にまつわる偏見。男子は力仕事、女子は細かい作業をする、など、学校にはジェンダーバイアスに影響を受けた習慣・風習がたくさんあり、それが自然と教室の中でも浸透しています。
Q ひとりだけ授業のあとに残されて、プライベートなことをたくさん聞かれた。怖かったです…。

まず、先生に対してプライベートなことを話す義務は一切ありません。答えなくても、先生があなたのことを批判する権利はありませんから。先生とふたりきりになることに不安を感じたら、事前に対策をとりましょう。例えば「親から早く帰ってこいと言われています。一度帰宅して説明してから、戻ってきてもいいですか?」と伝えたり、もし進路に関係することならば、「ひとりで判断できないので、母親が同席してもいいですか?」と聞いたり。そうすることで、相手に警戒心を与えることができます。また学校の外へ呼び出された場合、何かされたときに逃げられない場所には行かないこと。事前に友達や保護者に報告することも、忘れずにね。
Q パソコンの授業で、先生に後ろからハグされてる形で、マウスの操作方法を指導された。

これは明らかなセクハラ行為です。しかし授業中の行為の場合、「指導だ」と言い訳する先生が多いんです。もし先生や学校から「自意識過剰だ」と言われても、自分が感じたことが正しい!と、自信を持って立ち向かっていいのです。相手を思いやったり、自分を批判すると、相手の行動をエスカレートさせることにもつながります。
Q 先生から頻繁にLINEがきて困っています。

先生と連絡先を交換するのは、極力避けるべき。やむをえない場合は、「緊急な連絡以外は返信しません」と宣言し、実際に返信しなくてよし。先生とのメールで、最初は「田中さん」と呼ばれていたのに、そのうち「田中」→「まみさん」→「まみちゃん」→果てには「まみ」と呼ばれ恐怖を感じた、という相談を受けたことが。丁寧に返信していると、それを好意だと勘違いされてしまうことも。ほかにもプレゼントを受け取らない、車で送ってもらわない、など、関係をしっかりと線引きすることで、セクハラを防ぐことができますよ。(名前はすべて仮名です)
セクハラにあってしまったときの対応ルール①「強く「NO」と言ってOK!」

拒否されない=受け入れられていると誤解されるため、はっきり「NO」と伝えることがとても大事です。どんなシチュエーションでも、相手が誰であろうと、自分が我慢する必要はなし。拒否する権利があることを知り、拒否することを恐れないで。
セクハラにあってしまったときの対応ルール②「被害の内容を細かく書き残す」

相談するタイミングは早ければ早いほどベストですが、なかなか相談に踏み切れないもの。でも記憶が曖昧になって、証言にバラつきが出ると、信ぴょう性を疑われてしまいます。そのためにも、被害の内容をメモしておくことが重要です。何時何分、誰から何をされた、誰に相談した、など、できるだけ細かく書くこと。さらに、被害を受けたときの感情も欠かさずに。「クソジジイ」「気持ち悪い」などが加わることで、リアリティーが出ます。
セクハラにあってしまったときの対応ルール③「信頼できる大人に相談する」

生徒だけでセクハラを解決することはほぼ、不可能。大人の力が必要不可欠です。ただし先生同士のかばい合いも起きかねないので、信頼できる先生を選びましょう。判断ポイントは、きちんと話を聞いてくれて、プライバシーを尊重してくれること。今後のためにもふだんから、そういった先生を見極めておいて。「心配をかけたくない」からと、両親に相談したがらない生徒が多いのですが、同性の母親のほうが、セクハラによる不快感を理解しやすいという傾向もあるので、あまり悩まずに話をしてみましょう。
困ったらここに相談しよう!

監修/亀井明子 イラスト/藤井昌子 構成/中西彩乃(Seventeen9月号)