毎年、そのクオリティが高すぎる!と話題の『日学・黒板アート甲子園®』が今年も白熱。今年はノミネート作品が表彰式で最終結果として発表され、メイン大会ではなんと初出場の埼玉県立大宮光陵高校「いかのおすし」チームが最優秀賞を受賞! そして優秀賞に選ばれたのは、昨年最優秀賞を受賞しSeventeenでも取材した好文学園女子高等学校♡ 今回は、最優秀賞を受賞した“いかのおすし”チームにインタビューしてきたよ! 作品へのこだわりはもちろん、制作中の裏話や最近ハマっていることまでここでしか聞けないお話をたっぷり紹介します☆

最優秀賞に輝いた作品「仙鶴の逢引」がこちら!

黒板アート甲子園 最優秀賞

静かな雪原と、星がきらめく夜空。寄り添う2羽の鶴が作り出す世界観が、息をのむほど幻想的すぎる! しかもこの作品は、白・青・赤の3色だけで描かれてるんだって。心がそっと静まる雪景色と、寄り添って歩く鶴のロマンチックな瞬間を感じてほしいとのこと♡ 後ろへ続く足跡が、2羽が歩んできた時間とこれからの未来を思わせて一気に惹き込まれちゃう!

制作メンバーはたったの2人!

黒板アート甲子園

左から古里美命さん(高2)、松尾珠希さん(高2)。おふたりとも今回が黒板アート初挑戦!

♦︎最優秀賞おめでとうございます! 先ほど発表されたばかりですが、選ばれた時のお気持ちは?

古里さん:本当に選ばれると思っていなかったのでびっくりです!

松尾さん:今回は当日その場で発表だったので、今日までずっとドキドキしていました。いまだに実感が湧いてないです!

――おふたりとも落ち着いていたから、まさかそんな感じだったとは!

松尾さん:内心はバクバクでした(笑)。

♦︎黒板アートをやることになったきっかけは?

古里さん:美術科でお互い美術を学んでいて、学校では毎年黒板アート甲子園に挑戦しているので、「一緒にやろう!」って2人で参加しました!

たった2人で仕上げたとは思えないスケールと完成度☆

♦︎この作品をテーマにした理由は?

古里さん:今年の黒板アート甲子園®のテーマが「未来」だったので、2羽の鶴が夫婦みたいに寄り添って、静かな場所を一緒に歩んでいく姿を未来につなげてロマンチックに表現しました。

松尾さん:「日本画っぽい雰囲気にしたいね」とは話していて、そのモチーフとして鶴が浮かんだんです。

古里さん:あと全体はシンプルにしたかったので、雪景色を白と黒を中心に描いています。

松尾さん:その“白と黒で雪景色”という方向性はわりと早い段階で決まっていました!

日本画の雰囲気×黒板アートという発想力とセンスにびっくり! シンプルだからこそ、2羽の鶴の物語がまっすぐ伝わってくるよね。

黒板アート甲子園

♦︎チーム名である「いかのおすし」の由来は?

古里さん:2人ともいかが大好きなんです(笑)。それに、私の出身地と松尾さんの育った場所が青森県八戸市というところで、いかの名産地なので、「いかのおすし」にしました!

たまたまゆかりのある地が同じなのってすごい♡

♦︎この作品の中で、おふたりが特に注目してほしいポイントを3つ教えて!

松尾さん:推しポイントは 「羽・降ってる雪・積もった雪」 の3つです!

古里さん:まず鶴の羽は、ハケと綿棒を使って1枚ずつふわふわ感が出るように描きました。積もった雪は、チョークをいったん粉々にして水を混ぜてドロッとさせてから塗ることで、普通に描くよりはっきり発色させているんです。これは先輩たちの技を参考にしました! 降っている雪は、チョークの粉だけでふわっと広げて舞っている感じを出しました。

羽・降る雪・積もる雪。すべて白なのに質感が全然違うのがすごいよね。道具も塗り方も工夫だらけで見れば見るほど発見がある!

♦︎制作期間はどのくらい?

松尾さん:ちょうど夏休み期間で、学校で作業できる日が13日と決まっていたのですが、計算したら合計で約52時間かかっていました。構成を考え始めたのは募集が出る前からで、その頃からイメージを温めていました。

古里さん:でも本格的に考え出したのは、実は直前です(笑)。

♦︎1番大変だったところは?

松尾さん:積もった雪ですね。チョークを重ねても1〜2回じゃ白くならなくて…。重ね塗りすると今度は逆にムラが出ちゃうので、ギリギリまで調整していました。ムラになってしまったところは、上から硬いチョークで修正しています!

古里さんは油絵、松尾さんは日本画が専攻だから描き方にも差があるそうで、統一感を出すために交互に描いたというエピソードも。

♦︎サポートしてくれた人はいた?

古里さん:黒板アートを担当している美術の先生にアドバイスをいただいていました! 美術科なので、他の美術の先生からも教室に来た時に声をかけてもらえて心強かったです。

黒板アート甲子園

♦︎お互い掛け合った言葉はある?

古里さん:他のチームのコから途中でケンカするよと聞いてたんですけど、私たちはしなくて(笑)。学校でもずっと一緒にいるので自然と協力してできました!

松尾さん:たまたまですけど、住んでる場所も同じなので帰りも一緒なんです(笑)。

仲の良さがそのまま作品の一体感にもつながってるね!

♦︎疲れた時はどう乗り越えてた?

松尾さん:『妖怪ウォッチ』の“ようかい体操第一”を踊って目を覚ましてました(笑)。あとは、私たちの世代が見てた『おかあさんといっしょ』の“ブンバ・ボーン!”も交互に踊ってました!

曲のチョイスが最高すぎる(笑)。教室で2人で踊ってたと思うと微笑ましい♡

♦︎仲良しなおふたりですが、最近ハマっていることは?

松尾さん:UNOと七並べです!

古里さん:高1の頃からハマってます。

松尾さん:修学旅行でもたくさんやりました! 強さはどっこいどっこいです(笑)。

♦︎黒板アートの1番楽しいところは?

松尾さん:近くで描いていると、あれ?おかしいなって思うんですけど、遠くから見てみたら意外といいんじゃない?って思うタイミングがあって、それがすごく面白いですね。

古里さん:いつも先生が書く黒板を自分たちの好きなように使えるのが楽しいです!

♦︎最後に、黒板アートをやってみたいコに向けて一言!

古里さん:黒板がある環境って小学校から高校までがほとんどだと思うので、一度は挑戦して楽しんでみてほしいです! 私たちは白黒赤の3色だけで描いたんですけど、いろんなチョークがあるので好きなように自由に描いてほしいです♡

松尾さん:青春ですし、今のうちしか黒板アートはできないと思っていて。大人になったらできないので今のうちにやってみてほしいなって思います!

最後に素敵なメッセージをいただきました! インタビューはどうだった? 「いかのおすし」チームの2人が語ってくれたことはまさに青春そのもの。みんなも自分らしい学生生活を楽しんでね☆

優秀賞は昨年の最優秀賞校である好文学園女子高等学校♡

黒板アート甲子園®2025に初挑戦で最優の画像_5

昨年、最優秀賞を受賞してSeventeenでも取材させてもらった好文学園女子高等学校が今年は優秀賞に輝いたよ! 作品名は「虹の向こうへ」。黒板とは思えない細密さと、雨上がりに差し込む希望のストーリーが素敵すぎる! この奥行き感は何回見ても圧倒されちゃうよね。昨年の記事はこちら

黒板とチョークさえあれば始められる黒板アート。みんなも自分のアイデアを大きな黒板いっぱいに広げてみて!

構成/野口優美