“国際ガールズ・デー”に向けて、国際NGOプラン・インターナショナルが主催するイベント「PLAN GIRLS MOVEMENT 2025 ~未来のチカラになる言葉~」にST読者の中高生5人が参加してきたよ! 俳優&モデルの山本美月さんやラッパーのあっこゴリラさんなど豪華ゲストが登壇し、将来に対してモヤモヤを感じた経験や、悩み・不安との向き合い方などについて話し合うトークセッションが行われたほか、来場者が参加できる楽しい取り組みもあったりと、盛りだくさんの内容をレポート。ゲストのみなさんの貴重なアドバイスや、イベントに参加した5人の感想を、ぜひチェックしてね!

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国際ガールズ・デーとは?

国際ガールズ・デーは10月11日で、「女の子の権利」や「女の子のエンパワーメント」の促進を、広く国際社会に呼びかける日。プラン・インターナショナルなどの働きを受けて、国連によって定められたんだって!

国際NGOプラン・インターナショナルとは?

1937年に創立された国際NGO。「誰もが平等な世界を目指して」をテーマに掲げ、世界80カ国以上で子どもたちや女の子たちとともに活動。主な活動として、紛争と難民、気候変動、児童婚、女性性器切除など、女の子を含むすべての子どもたちが直面している課題や不平等の原因を解決するための支援を行なっている団体だよ。

入口には世界中の女の子たちが直面しているジェンダーギャップを学べるパネルが!

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性別と年齢からの二重で差別を受けて、社会全体のジェンダーギャップの皺寄せから逃れることのできない、最も弱い立場にある女の子たち。
会場の入り口に設置されたパネルには、「教育格差」や「女性や女の子たちに対する暴力」、「早すぎる結婚が奪う未来」、「環境の変化と女の子の未来」、「ジェンダーギャップの現在地」といったテーマごとに、日本、そして世界中の女の子たちが直面する課題がわかりやすく記されていたよ。参加したST読者のみんなも、真剣に読み込んでた!

メッセージボードやカプセルトイなど、勇気をもらえる楽しい取り組みを体験♪

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さらに、来場者が参加できるメッセージボードやカプセルトイ、インフルエンサーによるチャリティバザーなども実施。
メッセージボードのテーマは、「未来のチカラになる言葉」。イベントのゲストや来場者が、テーマに基づいて選んだ言葉をポストイットに書いてボードに貼り、“言葉でつながる作品”を目指したのだそう。ST読者のみんなにも書いてもらったよ。

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先生や友達からもらって感動した言葉や、大好きな言葉、勇気をもらえる言葉など、思い思いの言葉をチョイス。これを読んでいるみんなは、どんな言葉を選ぶ? 自分にとってお守りのような言葉を一つ持っておくと、勇気が出ない時や落ち込んだ時に元気をもらえそう♪ 

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巨大なカプセルトイのマシーンは、100円を寄付して参加するシステム。寄付金は全額、プラン・インターナショナルを通じて、女の子たちや子どもたちを支援する活動に役立てられるんだって!
レバーを回すと出てくるカプセルからは、イベントのゲストから寄せられた「未来のチカラになる言葉」が書かれたステッカーが登場。

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ST読者のみんながゲットしたステッカーがこちら。「心が喜ぶことに、全力で飛び込んでみよう!」や「自分を大切にする強さが、あなただけの美しい物語をつくる」などのパワフルなメッセージは、読むたびに背中を押してもらえそう♡ 

イベントの趣向に賛同するインフルエンサーたちによるチャリティバザーは、本人が売り場に立って、それぞれの私物を販売。こちらの売上も、カプセルトイ同様にプラン・インターナショナルの活動に役立てられるらしい!

ついに、山本美月さんやラッパーのあっこゴリラさんによるトークショーへ!

メインイベントは、各界で活躍する女性ゲスト5名のトークセッション。今年は、俳優・モデルとして活躍する山本美月さん、ラッパーのあっこゴリラさん、ラジオパーソナリティのクリス智子さん、セイコーエプソン株式会社の根村恵美子さん、株式会社ユニクロのシェルバ英子さんが登壇。女の子たちが抱えるモヤモヤの原因や解消法を、それぞれの経験をもとに話し合った貴重な対談の一部をお届け!

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<将来への迷いや不安について>

山本美月さん: 「芸能界はすごく不安定な業界。周りの友人たちが続々と就職活動をする中で、私は就職するべきか、芸能のお仕事を続けていくか、なかなか定められずにいました。当時、専属モデルをしていた雑誌の表紙を単独で飾ることができたら、この仕事を続けよう!と目標を掲げることに。叶えることができて、決意が固まりました」


株式会社ユニクロ シェルバ英子さん:「私が大学生だった当時は就職氷河期で、何がしたいのかなど悩んでいる余裕はなく、どこかから内定をもらわなきゃ!と必死でした。特に女性は、“いずれ結婚するし、とりあえずどこかに入社できればいい”、と考える風潮があったし、自分でもそう感じていたと思う。私は外資系アパレル企業に就職したのですが、性別による差があまりない環境で、とて居心地が良かったんですよね。そういった環境に身を置くことで、モヤモヤを感じていたことに気づき、その原因を考えるようになりました」

<ジェンダーギャップの課題について>

セイコーエプソン株式会社 根村恵美子さん:「私自身、性別によって選択肢が限られたり、選択を迫られた経験があります。入社して数年すると女性は結婚するのが当たり前、妊娠・出産をすると出張は難しいよね、といった固定概念があり、私もそれに引っ張られていました。そういった固定概念を変えていくことは、途上国だけでなく、日本においても課題がまだ残っているのが現状。誰もが自ら、自由に生き方やキャリアを選んでいいんだ!と思えるような環境を作ることが企業の課題だと感じ、取り組んでいます」

あっこゴリラさん:「アーティストという職種においても、女性よりも男性が多い。そもそもセクシャリティは男性と女性の2つだけではないけれど、男性と比較してそのほかのセクシャリティの割合はやっぱり少ないと感じます。そういったアンバランスさが原因で、自分もアーティストを目指していいんだ!って思えなかったり、一歩を踏み出す勇気が持てずにいる人もいるんじゃないかな。だからこそ私は頑張っている女の子を見ると、すごくパワーをもらえるんです。もっともっと、みんなが自分の進みたい道に進めるようになったら素敵ですよね」

<モヤモヤの解決法について>

クリス智子さん:「私は心のモヤモヤを、あまりネガティブに受け止めていません。もちろん渦中にいる時は辛いけれど、悩むのも自分らしさだから。誰かに相談するのも良いのですが、私自身は、まずはしっかり自分の心と向き合い、“なぜ自分はモヤモヤしているのか?”、“自分はどうなりたいか?”を考えるようにしています。モヤモヤの原因の解像度を上げることで、それに対して何ができるだろう?と解決策につながるんです」

山本美月さん:「モヤモヤやイライラを自分で解消できない時は、人生経験の豊富な年上のお友達に相談しています。んでいるときって客観性を失いがちなので、第三者に頼ることで、自分では思いつかなかったような意見がもらえるんです。それから、夜は眠れなくなるので考え事をしない!がMYルール。大好きなスイーツなどを食べて元気をチャージして、明日考えよう!と一旦とりあえず寝ます(笑)。私はホルモンバランスが乱れる生理前にモヤモヤしがちで、それに気づいてから、基礎体温を測って生理周期を把握するように。モヤモヤしているのは生理のせいだ!と理由がわかるだけで、気持ちが軽くなるんですよ」

<人生の先輩として、若い人たちに伝えたいこと>

クリス智子さん:「今日、若い時にもらって嬉しかった言葉や支えられた言葉を思い返す中で、自分が言われて嬉しかった言葉を人に与えることを大事にしていきたいな、と改めて感じました。人を助ける行為って自分に余裕がないとできないから、自分に余裕がないことを知ることにもつながりますよね。どんな言葉を人にあげられる人間になりたいか、みなさんが考えるキッカケになればいいなと思います」

セイコーエプソン株式会社 根村恵美子さん:「一番伝えたいのは、挑戦する前に諦めないで!ということ。迷ったら、まずは誰かに相談してみてください。遠慮してしまう人もいると思いますが、相談される側にとっても気づきがあるから、実は相談することはお互いにとって良いこと。やれない理由を見つけるのではなく、可能性と向き合ってほしいなと思います」

山本美月さん:「肩の力を抜いて気楽に生きていこう、という姿勢は私自身も大切にしています。何事も100%の力を振り絞って完璧にやらなきゃ!と思ってがんじがらめになっていた時、友達が“美月は頑張りすぎ。70%の力でいいんだよ”という言葉をかけてくれて、気持ちがすごく楽になった経験があって。疲れてるな、頭がガチガチになってるな、と感じたら、30%くらい力を抜いてみてください。肩の力を抜いて、一緒に頑張っていきましょう♡」

株式会社ユニクロ シェルバ英子さん:「私が昔から大切にしているのが、“お天道様は見ているよ”という言葉。辛い時も誰かが見守ってくれている!と考えることで、私は救われてきました。その誰かは、お母さん、お父さん、いとこ、叔母さん、友達など、誰でもいい。何かがあった時に素直に助けを求められて、逃げ場にも支えにもなる存在を持っていて欲しいなと思います」

あっこゴリラさん:「失敗することが恥ずかしいと思いがちだけど、本当に恥ずかしいのは、自分のやりたい気持ちに背いてしまうことなんじゃないかな。私は誰かの失敗を笑うことはないし、むしろ可愛い!って思う。失敗したとしても絶対に得られるものがあるから、恐れないで挑んで欲しい! そうやって挑戦することで、人生はより面白くなると私は信じています」

ST読者の5人は、イベントを通じてどんなことを思った?

イベント終了後、参加したST読者5人に感想をインタビュー。将来について悩んでいること、イベントで学んだこと、実践してみたいことなどを語ってくれたよ。

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・さきちゃん(高2)

「私も将来について考える中で、モヤモヤしちゃうことが。今日のイベントで人生経験豊富な先輩方のお話を聞きながら、みなさんも同じように悩んでいたんだ!と知られて一安心。山本美月さんのように、かっこよくてスマートに見える人も、将来について不安に感じたことがあるんだな……と身近に感じられて嬉しくなりました。どうしたらいいんだろう?と悩んでは人に相談していたけれど、結局、決めるのは自分なんだ!と気づけたことも、大きな収穫。今後またモヤモヤを抱いた時は、自分自身に対して“大丈夫だよ!”と言ってあげたいです」

・りこちゃん(中3)
「プラン・インターナショナルの活動内容を聞いて、途上国では今も女性だからという理由で差別されたり、望まない結婚をさせられたりする現状を知り、衝撃を受けました。みんなに笑顔で暮らす権利があって、決して差別があってはいけないし、誰もが公平に暮らせる世の中であってほしいと強く感じました」

・ゆあちゃん(高2)
「ゲストの皆さんのお話を聞いて、私も実践してみよう!と思うアイデアがたくさんありました。一つは、モヤモヤの対処法。考え始めると堂々巡りになってしまうことが多いのですが、“一旦寝て次の日に考える”、“生理前はホルモンバランスの影響でモヤモヤしがちだから、生理周期を知るといい”などのアドバイスを聞いて、確かに!と納得。また、高校生だから悩むんだと思っていたけど、大人になっても悩むことがあると知り安心しました。
もう一つは、相談相手の選び方。お母さんやお父さんなど身近な人もいいけれど、叔母さんやいとこなど適度な距離感がある人に相談すると客観的な意見がもらえるし、より素直に受け止められると聞いて、そうかも!と。お母さんの助言を素直に受け止められなかったことが何度かあり、最終的には一人で悩むことが多かったんです。次は周りの大人に相談してみよう!と選択肢が広がり、心強く感じました」

・そらちゃん(高2)
「今日のイベントに参加するまで、国際ガールズ・デーという日があることを知りませんでした。世界のどこかでは、私と同じくらいの年齢の女の子たちが結婚や妊娠、出産を強いられていると知って、自分がどれだけ恵まれているかを実感。それと同時に、自分にできることがあれば積極的に取り組んでいきたいと思いました。また、私も将来についてモヤモヤすることがあり、これまでは一人で悶々と悩んでいたけれど、人生の先輩方のお話を聞いてためになるアドバイスがたくさんあったので、これからは大人に相談してみようと思います!」

・きさちゃん(高1)
「まず、今回のイベントを通じて女性を支援する団体があることを知って、感動しました。私たちと同じ権利を持てない女性がいることや、水道からきれいな水が出てくるのは当たり前ではないことを知り、自分が今いる環境は普通ではなく、とても恵まれているのだと知ることができました。
もう一つ印象的だったのは、ゲストの皆さんを含め、誰もが悩みを抱えているということ。私は高校生になって、人間関係が広くなったことで複雑になり、悩みがめちゃめちゃ増えたんです。もともと人に気を使い過ぎてしまうタイプだから、関係性が浅い人と一緒にいると疲れてしまって。悩みを打ち明けられるのは信頼する家族や親友だけで、もっとオープンになれたらいいのに……と思っていたけれど、山本美月さんも信頼できる人に相談すると言っていて、自分は間違っていないんだ!と救われたような気持ちになりました」

「国際ガールズデー」は「女の子の権利」や「女の子のエンパワーメント」を呼びかける日。ST読者のみんなが社会に出たとき、性別や年齢による格差のない、平等な選択肢がある世界になっていてほしいね。迷う時や悩む時、考えこみすぎず、周りに相談したり、自分なりの解決方法を見つけていこう!

構成/中西彩乃