読者から寄せられたSDGsについての率直なギモンに回答! 日本が抱える課題など、しっかりチェックしてみて。

SDGsについて

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教えてくれたのは……泉 美智子さん
株式会社六次元所属。子どもの環境・経済教育研究室代表。全国各地で講演活動を行うほか、テレビ・ラジオ出演も。環境、経済絵本・児童書を多数執筆。「わかりやすい」「教材として使ってほしい」と定評あり。

Q 今もっとも課題とされている項目はどれ?

日本を含む世界全体で気候変動が一番の課題
「猛暑日やゲリラ豪雨の増加など、日本でも頻繁に異常気象が報じられていますよね。これらの主な原因は、地球温暖化による気候変動。1970年代から問題視されていたのに……悪化傾向にあります。このままいくと、2100年には海面が84㎝上昇し、日本の砂浜のほとんどが失われるとの予測も。地球温暖化を止めるためには再生可能エネルギーを普及させて、二酸化炭素の排出量を減らすことが急務ですが、現時点で明確な目処は立っていません」

Q 日本で貧困化が進んでいるって本当?

主に高齢者とひとり親世帯の貧困が問題視されています
「最低限の生活も送れない状態を“絶対的貧困”、同じ国に住む他の人と比べて貧しい状態を“相対的貧困”と呼びます。日本で増えているのは後者。特に経済的な不安を抱えやすい高齢者やひとり親世帯に多く、ひとり親世帯の子どものうち約2人に1人が貧困状態にあると言われています」

Q 日本の取り組みの中で特に評価されているのは?

途上国への支援は高く評価されています!
「経済的な支援をはじめ、日本が誇る建設技術を生かしたインフラづくりでも積極的にサポートしています。途上国の支援はSDGsが掲げるあらゆる目標の達成につながるため高評価の対象に。近年は教育の無償化が進み、教育の質の高さも世界をリードしています

Q SDGs加盟国でも、取り組みへの積極性に差はあるの?

国によって状況が異なり積極性もさまざまです
「環境や風土、生活水準は各国で異なるため、積極性に差が出るのは仕方のないこと。たとえば、加盟国の中で最も貧困率が高いアフリカ・サハラ以南の国々は、世界のために何かをする前に、自国のために解決するべきことが山ほどあります。そういった国々を支援し、国の不平等をなくすことも、SDGsが掲げる目標の一つです!」

Q 日本が成果を上げている分野・ 遅れをとっている分野は?

前者は“産業と技術革新の基盤づくり”、後者は“ジェンダー平等”
「世界に貢献できるほどの技術力を持つ日本は『産業と技術革新の基盤をつくろう』の目標をほぼ達成。反対に『ジェンダー平等を実現しよう』の項目には、深刻な課題があるとされています。2024年版の日本のジェンダー・ギャップ指数は146か国中118位で、これは先進国の中で最低レベルです」

Q SDGsが採択されて以降どんな変化が起きてる?

多くの企業が、SDGsに取り組むように
「目に見える大きな変化は、SDGsに取り組む企業が増えたことでしょう。私たち消費者や投資家も、環境や社会に配慮した企業を優先的に選ぶようになったことで相乗効果が生まれているからです。エコ商品を買ってみる、などといった一人ひとりのなにげない選択が大きな組織を動かす力になります!」

SDGsについてのあれこれ、あらためてしっかり考えてみてね。

撮影/三つ葉ちひろ スタイリスト/梨杏 ヘア&メイク/中軍裕美子 モデル/竹下優名(STモデル) 構成/中西彩乃