後悔してからじゃ遅い! 避妊から性感染症、恋人との関係まで、未経験のうちに心得るべきことって何? ドラマ『17.3 about a sex』に出演していたSTモデル永瀬莉子・秋田汐梨・田鍋梨々花が、性教育ユーチューバー・シオリーヌさんに真剣に聞きました!

本当にして大丈夫? このチェックリストを決断の参考に!

◆チェックリスト5◆  

[その一] 自分と相手の体の仕組みを理解している? 

[その二] お互いにセックスしたいと思ってる? 

[その三] 途中で嫌なことがあったら「NO」と言える? 

[その四] 自分が使える避妊法を知ってる? 

[その五] トラブルが起きたときの対処法を知ってる?

人の体や人生はその人だけのもの!

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シオリーヌさん「読者さんの疑問で最も多かったのが、"何歳になったらセックスしてもいいの?"。みんなのまわりはどう?」 

梨々花「学生のうちは早いんじゃないか、と悩むコが多いような……」 

莉子「逆に経験者がまわりに多いコは、"早く経験しなきゃ"ってあせったりもありそう」 

シオリーヌさん「私の答えは、『自分が納得して決められるようになったら』。人の体はその人だけのもの。他人に決める権利はないし、社会の基準が正解という法則もありません」 

汐梨「たしかに、そのとおりですね」 

シオリーヌさん「もちろん、しっかり考えたうえで決めることが大前提。"本当にしたい?"を考えるうえで参考にしてほしいのが、上の『チェックリスト5』の表にある5つの項目です。まずは、"体の仕組み"について。セックスは相手がいるものですよね。パートナーが異性の場合は、男性器の構造や射精の仕組み、妊娠に至る過程まで理解する必要があります。さて、精子は子宮でどれくらいの期間、生きていられると思う?」 

汐梨「性教育で習ったけど、長かったっけ? 短かったっけ……?」 

シオリーヌさん「正解は3〜7日間。つまり射精時に排卵が起きていなくても、3日後に排卵すれば妊娠する可能性があるということ。こういったリスクを理解すれば、避妊やアクシデントに対する意識が高まりますよね!」 

莉子「本当にそうですね」

お互いが同意して初めて愛情が深まる行為に♡

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シオリーヌさん「2つ目は"性的同意" とも呼ばれ、諸外国では、たとえ夫婦でも同意がないセックスは犯罪とみなされるほど重要視されていることなんです」 

梨々花「『17.3 about a sex』で強引にキスされる回が放送されたあと、数名から"同じ経験をした"というDMが届きました」 

シオリーヌさん「"断ったら嫌われるかも"などの不安を感じるコも多いけど、そもそもそんな関係は不健康。セックスはお互いが安心できる状態で行わないと、愛情が深まるどころか関係が壊れてしまうよ」 

汐梨「"嫌われるかも"という不安は、次の項目も当てはまりますね」 

シオリーヌさん「そう! セックスに限らず、実際にやってみたら違った、ということはあるよね。途中でやめることも本人の自由。素直に不安を打ち明けたり、ノーと言える関係性のほうが、愛情も信頼も深まりそうじゃないですか?」 

梨々花「同感です!」

じつは安全じゃない⁉ コンドームの避妊成功率

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シオリーヌさん「4つ目の"避妊法" については、日本で主流のコンドームは男性が主体の避妊法。妊娠するのは自分なのに、多くの人が避妊を男性にまかせているのが現状」 

莉子「本当ですね……」 

シオリーヌさん「コンドームの避妊成功率は95%※と言われているけど、これは完ペキに正しく使ったときの数字。一般的なミスを含めた場合、成功率は85%※まで下がるんです」 

3人「えっ、そうなんだ」 

シオリーヌさん「妊娠を望んでいない場合は、低用量ピルを併用する方法も。ピルだけでも避妊成功率は92〜99%※! ただしピルのみでは性病の感染を防げないから、コンドームとの併用がベストです」 

梨々花「妊娠は恐れても、性病のことまで考えているコは少ないかも」 

シオリーヌさん「だよね。もっとも感染者数が多いクラミジアをはじめ、無症状のまま進行する性病って少なくない。だから感染に気づいてなかったり、感染しても人には言いづらいことだから、なかなか身近に感じられないんです」 

莉子「無症状だから、感染がさらに広がる。悪循環ですね……」
※コンドームや低用量ピルなどを1年間に100人が理想的な使い方をした場合に妊娠する人数(パール指数)を参考にしたデータ。

自分を守るために、トラブル対処法を事前にインプット!

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シオリーヌさん「5つ目の"トラブル対処法"のひとつが性病検査。病院のほか、無料で行っている保健所も多いので、調べておくと安心!」 

汐梨「そのほかには、どんなトラブルがありますか?」 

シオリーヌさん「予期しない妊娠の不安。アフターピルは知ってる?」 

梨々花「避妊に失敗した可能性があるときに飲む薬ですよね」 

シオリーヌさん「そう! では、アフターピルが飲める時間制限は?」 

莉子「えーっと……」 

シオリーヌさん「セックス後の72時間以内! さらに、婦人科を受診しないといけない不便さも覚えておくことが大切です」 

3人「はい!」 

シオリーヌさん「最後に、会話に出てきた"キスやセックスの強要"ですが、これらはデートDVと呼ばれる恋人関係でのDVの一種なんです」 

汐梨「DVって、暴力では!?」 

シオリーヌさん「精神的な苦痛も、れっきとした暴力。ツラいけど好きだし、とガマンしてしまうと、パートナーの行動はエスカレートすることも。相手が嫌がることはしない、相手も自分が嫌なことをしない。そんな信頼関係をきずいてほしいな」
雰囲気に流されそうになったとき、冒頭に載せた5つのチェックリストを思い出して! きちんと知って、お互いを大事にね♡
シオリーヌさん★性教育・助産師YouTuber。著書に『CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識』(イースト・プレス)が。
撮影/山崎ユミ ヘア&メイク/中軍裕美子 モデル/田鍋梨々花、永瀬莉子、秋田汐梨(STモデル) 構成/中西彩乃