今日はどの気分?【今の気持ちによりそう新刊文庫】
予定通り学校が始まったコもいれば、夏休みがちょっと延びたコ、家でオンライン授業になったコもいるよね。人によって今の気持ちもいろいろ。家にいても、学校でも、公園でも読める文庫から注目の新刊をpickup! 自分のテンションにハマる一冊はどれかな?
100万回の人生を超えて出会った運命の相手
美桜は100万回生きてる。いろんな国でいろんな人生を繰り返してきて、今は日本でJKに。何回も繰り返す人生がイヤになって、何もかもがどうでもいい。そして、ついに学校の屋上から身を投げてしまったのを、助けてくれたのは同級生の光太。光太から「生きててほしい」と言われて恋人どうしになったけど、それはただの偶然じゃなかった! 長い時間を超えた運命の恋に涙が止まらない!!
『100万回生きたきみ』七月隆文 ¥726/KADOKAWA
いつも使うコンビニが事件の舞台に!?
コンビニを舞台にした青春ミステリ。あるコンビニでバイトをはじめた高校生の春紅の正体は、ただのバイトじゃなくて、2カ月前に店のトイレで起きた店員の不審死を調査する探偵。警察には自殺って断定されたけど、春紅は周辺で連続して起きてる猟奇的な強盗殺人とのつながりを疑っていた! コンビニの知識を活かして7人の容疑者から殺人鬼の正体が明らかになっていくよ。高校時代からコンビニで働いてる著者・秋保さんならではの作品。
『謎を買うならコンビニで』秋保水菓 ¥847/講談社
不思議なきずなでつながる「ひとりぼっち」たち
いつも笑顔ではいるけど、心に孤独を抱えている高1の奈苗。ある時、事情があって、クラスメイトと5人だけで3日間授業を受けることに。メンバーは一匹狼の大北くん、優等生の怜ちゃん、委員長と呼ばれる落合くん、いじめられっ子の若尾くん。イヤでしかたなかったはずの「ひとりぼっち」の5人との時間が、いつの間にか大切なものに。目に見えない5人のきずなが感じられて、じーんときちゃう。
『アオハルの空と、ひとりぼっちの私たち』櫻いいよ(著)、飴村(装画) ¥671/集英社
「女のコ」ならではのモヤモヤに共感しかない!
「女の子らしく」生きるのがうっとおしくなって、「自分らしく生きよう」とすると、いろんなものと戦わなきゃいけないのが今の日本だったり。年齢、結婚、ファッション、女ともだち……いつの間にか自分をしばってる女性たちの日々のモヤモヤした思いが短編小説やエッセイなど34編で描かれてるよ。自分でも気づかないうちにハマってる「女性ってこうじゃなきゃ」な思い込みを発見できるかも。
『あたしたちよくやってる』山内マリコ ¥737/幻冬舎
構成/古川はる香