清原果耶 卒業special part3
last Long Interview

かやが最後にSeventeen読者へ伝えたいこと。これからもたくさんのことを経験して、成長して、美しくなっていく──そう思える言葉ばかり。そんなかやを、STはずっと、応援してるよ♡ 愛してるぞ、かや!

“卒業するときがくる”ってことを少しずつ実感

 STのラスト撮影も、とっても楽しかった! 卒業式には後輩のコたちや、私が最初にSTで仲良くなった大好きなぴっちゃん(坂井仁香)も来てくれて、本当に感謝の気持ちでいっぱい。そして読者のみんなも、たくさんの質問をありがとう。最後は私の今の気持ちを話すね。
 私がST卒業を意識するようになったのは、先輩モデルの方々

の卒業。(横田)真悠ちゃ
ん、こんちゃん(紺野彩夏)、マーシュ(彩)ちゃん、(大友)花恋ちゃん、そして特に仲が良かったみんなの卒業も。ぴっちゃん、佐々木(莉佳子)、八木(莉可子)ちゃん…。だんだんと「あれ? これは私も卒業なのか?」って思うようになってきたんだ。『Seventeen』は名前の通り、ティーンの雑誌。だからこそ、専属モデルでいられる時間もある程度限られている雑誌で。大切な人たちの卒業を知ることで「そっか、時間がたてば卒業がくるのか」ってあらためて実感していって、私も卒業を決めました。

ニコラからSTへ。ひとつ、大人になった瞬間

 私がSTモデルになったのは今から約3年前の高2の夏。その当時から年齢的にはすでに真ん中あたり。ただ、年下のコはいても私がいちばん後輩だって気持ちは持ってた。でも、『ニコラ』ですでに専属モデル経験があって入ってきてる私が、先輩たちの後ろをついていくだけじゃきっと意味がない。加入したときから、「私だからできることをちゃんと開拓していきたい」とは思ってた。
 実はその“私だからできること”は、ニコラ時代に私が見失っていたことでもあったんだ。私はもともと負けず嫌いな性格だから、ニコラ時代は「たくさん企画に出たい」とか「表紙をやりたい」って気持ちがすごく強くて。大切なことではあるんだけど、その気持ちが前に出すぎた結果、自分を見失うことも多々あった。ニコラを卒業して、STに入ることが決まったときに思ったのが「STではそういう自分を変えよう」。学校を卒業して、ひとつ大人になるのに近い感覚だったのかな。たくさん出られるように努力するだけじゃなくて、「ちゃんと私自身を見てもらって、それで好きになってもらえるようにがんばりたい」って思ったの。だから、自分の好きなものはちゃんとスタッフさんにも伝えるようにしてた。
 そうだ、私、STに入ったときに、スタッフさんに言われてすごくうれしかったことがあるんだ。STでは撮影の前に“今注目してるアイテム”とか“このシチュエーションに合わせたい私服”とか、企画にそったいろんなアンケートに事前に答えるんだけど、その回答の仕方をスタッフさんがホメてくれたの。「かやちゃんのアンケート内容は丁寧でわかりやすい」って。この言葉、本当にうれしかった。というのも、ニコラでも同じようにアンケートはたくさんあって、負けず嫌いを発揮しまくってた私はガチで答え続けてた(笑)。あのとき無我夢中でがんばっていたからこそ、STモデルになってもアンケートに気持ちをのせることができていたんだと思う。必死にがんばっていたことは、ムダじゃなかったんだよね。

自分らしさを出せたのは、スタッフさんのおかげ

 ニコラのときももちろん責任感はあったけれど、“自分だけにできること”を大事にしたことで、STではさらに責任感が強くなったと思う。その結果、撮影も純粋に楽しめるようになった。STの撮影は、にぎやかでいい意味でゆるいホーム感があって大好きだった。私が変なポージングをしても受け入れてくれるのは、STだけだと思う(笑)。ひとりで撮影する企画も多かったから、スタッフさんとお話しする時間を大切にしていたよ。
 その中でたくさんのことを教わった。カメラマンさんには、ポージングの仕方や空間の使い方。その知識が、映画やドラマ関連の取材で撮影をするときに活きているなと思う。ヘアメイクさんには、大好きなメイクの最新情報。毎回「今日はどんなメイクだろう」ってワクワク。その日は使っていないアイテムでもいろいろ教えてもらって、しっかり覚えて帰ってたな。スタイリストさんからは、トレンドを教えてもらえるのはもちろんだけど、お話をすればするほど、私が好きなテイストの服を選んでくれることに感動した。特に連載では、ハヤリとはまた違うものを用意してくれていたりして。「この服のここが好き」ってことを話せば話すほど、“清原果耶らしい服”の共通認識が濃くなっていく感覚がすごく好きだったし、ありがたかったです。編集さんやライターさんは……母だった(笑)。私がどんな状態で撮影に来ても支えてくれて。「なんかあった? 最近大変だった?」って気にかけてくれたり、「今日のかやも最高に可愛いよ!」って楽しい雰囲気にしてくれたりして、本当にみんなすごく優しくて、その気持ちにたくさん助けてもらいました。スタッフさんのおかげで、自分自身の思いを発信できる連載や、自分の好きなコーデをたくさん着させてもらえた“かやカジ”企画を読者のみんなに届けることができました。幸せでした!

 スタッフさんとの交流は深くできていた一方で、後輩のコたちと一緒の撮影があまりできなかったことは唯一の心残り。“STモデルとは”なんて私が後輩のコたちに教えられることなんてないんだけど(笑)。ただ、ふつうに楽しく撮影ができるような、そんなおもしろい先輩ではいたかったな、って。今日卒業式に来てくれたコたちに初めましてのコが多かったのもあるけど、みんなすごく緊張してたから。私相手に緊張させてしまって、申し訳ない気持ち(笑)。私の場合、初めて先輩モデルの方と会えたのは『夏の学園祭』だったんだよね。真悠ちゃんや花恋ちゃんが「緊張してるの? 大丈夫だよ!」って明るく声をかけてくれてすごくホッとしたのを覚えてる。私はそういうことをしてあげられなかったから。うん……。でも、みんなとはまた絶対にどこかで会える。会えたときには、もうちょっとおもしろい人間になってたい(笑)。

自分の“好き”があれば、きっと大丈夫だから

 後輩のみんなにはあまり会えていない私だけど、アドバイスできることがあるとしたら、“何かひとつ、自分の好きなことを見つけるのは大事”かな。STに入ったばかりのころ「私だからできることを開拓していきたい」と思いつつも、モデルとして自分がオールラウンダーじゃないことに悩んだ時期もあった。得意分野や好きなジャンルがわかってはいるし、まわりにも理解されはじめてたとは思うけれど、モデルをやっている以上、「守備範囲がせまいって大丈夫なの?」と思ったり。そのゆれる気持ちを、「いや、私はこれでいいんだ!」って思わせてくれたのは、応援してくれる読者のコたちと、受け入れてくれたスタッフのみなさん。後輩のみんなも、何か好きなことがあるなら、それが例えハヤリと違う気がしても「好きなものは好き」と言ってみてほしい。ハヤリにのるのも大切だけど、それはそういう企画のときにスタッフさんが上手にのせてくれるから(笑)。自分自身を出せる私服企画とか事前アンケートでは、自分を出してみることはすごく大事だし、そんなあなたを見ている人が絶対にいると思う!

成長し続ける私を見ていてほしい

 そしてSTモデルとして約3年、私ががんばってこられたのは、今これを読んでくれているファンのみんながいたから。きっとニコラ時代から応援してくれてるコもたくさんいると思う。ニコラ時代は、ファッションブランドのイベントで会える機会も多くて。来てくれたみんなの顔は今でも覚えてる。最近はコロナの影響もあってなかなか会える機会がなくて……そんな時でも、みんながずっと応援してくれてることに“ありがとう”の気持ちが大きいんだ。
 ファンレターを送ってくれたり、SNSに毎回コメントをしてくれたり。そうやって応援してもらえることは当たり前じゃないし、その気持ちがずっと続くっていう保証もない。だけど、みんなにこれからも応援してもらえるような、魅力のある人間になりたいと思う。STを卒業してもみんなに見てもらえるように、ひとりの俳優としてこれからも成長し続けられるように、がんばります。
 そして、これからも『Seventeen』を読み続けてほしい。ファッション、メイク、エンタメ、STモデルたちのこと、いろんな情報がある中でそれぞれの楽しみがきっとあるはず。そんな人がひとりでも多く増えていくといいなって思う。もしもその中で私の出演作品を見たいと思ってくれる人がいてくれたら……幸せ(笑)。そのために、私はもっと豊かな人間になれるようにがんばります。今まで本当にありがとうございました! できればこれからも、よろしくお願いします。

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