フツウはありえないような事件が起きて、その謎を解いていくドキドキ感がたまらないミステリー小説だけど、主人公が高校生だったり、舞台が学校だったりすると身近感がさらにUP。ただ謎解きするだけじゃなく、高校生ならではの出来事やキモチもじっくり描かれてて、いろんな方向からハマります!!

男子図書委員2人が謎に挑む!

謎解きと切なさが止まらないっ!【最新☆青の画像_1
使う人がほとんどいないとある高校の放課後の図書室。当番としてそこにいた図書委員の堀川と松倉は、図書委員を引退した先輩から頼みごとをされる。それは先輩の亡くなった祖父がのこした金庫の鍵の番号をあてるというもの! その後も次々図書室に持ちこまれる謎を解きながら、だんだん深まっていく堀川と松倉の友情にも注目。ほんのりビターな後味がぐっとくるぅ。
『本と鍵の季節』米澤穂信 ¥1400/集英社

密室の中で進む謎解きと人間関係

謎解きと切なさが止まらないっ!【最新☆青の画像_2
不器用な高校生たちの関係を描く5つのストーリーで構成される短編集。それは乗客がほとんどいない始発の電車だったり、客の少ないファミリーレストランだったり、それなりに楽しめる地元遊園地の観覧車の中だったり。シチュエーションは違うけど「密室の中」で展開していくっていう共通点が。ひとつの謎が解けると同時に高校生たちの関係が変化していくのがポイント。
『早朝始発の殺風景』青崎有吾 ¥1450/集英社

ひとりの女子の死から見えるJKのリアルな心情

謎解きと切なさが止まらないっ!【最新☆青の画像_3
高校の屋上から飛び降りた川崎朱音。自殺の原因はいったい何!? 事件後に配られたアンケートの回答が紹介されて、事件にかかわる生徒と朱音の関係、それぞれが抱えていた事情が明らかに。そこにはクラスの中のグループ分けや自分のキャラ設定に悩んだり苦しんだりする誰もが「私も」って感じる気持ちが。最後に朱音目線で語られる事件の真相が意外過ぎて、二度読みするしか!!
『その日、朱音は空を飛んだ』武田綾乃 ¥1500/幻冬舎
構成/古川はる香