目の見えない彼女と、人との関わりを避けてきた彼。同じ大学に通う二人が出会うことから始まる、ドラマ『透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。』は、優しさあふれる純愛ストーリー。前向きに生きる目の見えない女性を演じるST㋲OGの永瀬莉子さん、成り行きから彼女の授業をサポートをすることになる大学生役の藤原大祐くん。温かくてせつないラブストーリーを演じる二人に話を聞いてきたよ。

ドラマ特区『透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。』シーン写真1

©志馬なにがし・SBクリエイティブ/ドラマ「かけ恋」製作委員会・MBS

ドラマ特区『透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。』シーン写真2

©志馬なにがし・SBクリエイティブ/ドラマ「かけ恋」製作委員会・MBS

—お二人が演じているのはどんなコですか?

莉子 私が演じた“冬月小春”は、ある病気によって全盲になります。でもすごく前向きに、一日一日を大切に生きている子です。人生のやりたいことリストを作っていて、それをきっかけに“かける”と親しくなっていきます。強いエネルギーを持った、すごく魅力的な子です。そんな小春の姿は、見てくださる方々にも生きる原動力を感じてもらえるのではないかなと思います。

大祐 空野かけるは内気で、人との関わりにトラウマを持ってる大学生の男の子なんです。何か決断をしないといけない時にはすごく躊躇してしまって、なかなか一歩が踏み出せないような男の子。でも、心の奥にはしっかり意志があって、思いやりと優しさのある、まっすぐな男の子でもあるなと思ってて。そんな彼が冬月に出会うことで成長していく姿は、 演じていて楽しいです。

—それぞれに、そんな役を演じる上で、大切にしていることことは?

莉子 小春って可哀想だな、とは思われたくないなっていうのが一番にあったので、すごく笑顔です。小春は優しい笑顔をしている印象だったので、そこは大事にして演じました。そして、見えない分、触れるもの、聞くこと、香りとか、そこをすごく大切に、感覚を研ぎ澄ませながら繊細に演じました。見えない演技の難しさは、作品に入る前は不安が大きかったのですが、実際に撮影に入ってからは、不安が薄れていきました。。見えているけど見えてないような気持ち、に本当になっています。小春になれているなっていう喜びでもありましたね。

大祐 僕は言葉を投げる速度を弱くしています。キャッチボールで言うと、相手のところに届くギリギリ手前で落ちる球を投げている感覚に近いんです。 僕はかけるが、その球の投げ方を覚えていくストーリーだと思っていて。最初はずっと手前で落ちちゃって届いてないんだけど、小春がすごい前向きだから、ちょっと手前に落ちた球も取ってくれるんです。こうやって取ってくれる人がいるんだ、って小春にひかれていくんだろうなって思って。序盤では、二人が向かい合っててしゃべるシーンはほとんどないんです。お互いに何かしてたり、そっぽ見ていることが多い。でも、話が進んで行くにつれて徐々に向かい合うシーンが増えていくんです。だから最初は、投げる球を弱くしていました。

永瀬莉子 藤原大祐 ツーショット写真1

—本作の出演が決まった際の心境を教えてください。

莉子 小春を演じるっていうのは、私の中でもすごく挑戦だったので 正直不安があって。 最初は私に演じられるのかな、と思いました。でも、台本を読むとすごく自分の心が動かされて、これを私が演じることに意味があるっていう風に思えてきたんです。なので、絶対に最後まで走り切るぞっていう思いを持って、最初の本読みに行けました。その時に皆さんと絶対いい作品にしようねって話して、そこで意志がさらに固まって、頑張ろうって思えました。

大祐 そうですね、台本がとにかく素敵だったんで、そこに対するプレッシャーみたいなのを僕も感じてました。でも、演じていくうちに体になじんできてる感じがしてきて。それは、この作品に関わるチームの全ての皆さんの、ワンカットワンカットに命を注ぎ込むエネルギーの強さに鼓舞されているところもありますね。あとはやっぱり、盲目っていうハンディキャップがテーマの役に対する莉子ちゃんの向き合い方、覚悟みたいなものを毎シーン感じています。本当にみんなに引っ張ってもらってるおかげだと思いますね。

—盲目の世界に触れるこの作品を通して気づいたことなどありますか?

莉子 役に入る前に盲学校に行き、お話する機会をいただきました。私たちと違いがあるようでないというか、その生活をいかに毎日過ごしやすくされているかを勉強させていただきました。歩く速度やサポートの仕方、日常的なことで知らなかったことをいろいろと勉強でき、それらはストーリーの中でも活かされています。そして、みんなが助け合えるようなそんな世界になってほしいとおっしゃっていました。あらためてその大切さを感じましたし、それはこの作品で絶対伝えなきゃいけないメッセージだなと思っています。

大祐 今回僕はちょっと違う視点で話すと、目に見えない恋をしたっていうタイトルの意味が、演じていく中ですごくわかってきた感覚がありました。
例えば、あれすごいね、あれキレイだねって言っても、見えないと分かんない。だからキレイなものを事細かに説明する描写があるんですよね。あそこに何々があって、こう光っててって。それってめっちゃ美しいことだなと思って。

五感のうちの一つがない分、100%の感覚を4つに振り分ける。五感だとそれぞれの感覚が20%ずつだったものが、4つだと一つの感覚が25%ずつになる。実はちょっとずつ豊かなんですよ。視覚情報はない分、他のところですごい恋をしてるんだなっていうのを感じます。

演じながら僕も目を使わないで恋をしている感覚です。 だって、冬月からしたら僕の顔知らないわけで、触ってなんとなくの造形を知るしかなくて。だからこっちも目で感動するんじゃなくて、心で感動しなきゃ恋ができない。それは演じていく上でお芝居に通ずるものがあるというか、心でお芝居できてる感じがあるんです。

永瀬莉子 藤原大祐 ツーショット写真2

—小春は人生でやりたいことリストを作っていますが、お二人がリストを作成するとしたら、これだけは絶対に入れたいことは何ですか?

大祐 世界一周。僕は世界一周したい(笑)。いろんな景色を見ないと、本当に絶対無理で。絶対に世界一周したいという強い意志があります。何があっても、何があっても、絶対に世界一周したい。間違えて二周しちゃってもいい(笑)。

莉子 小学校の時に泊まりの課外学習があって、夜にみんなで見た星が忘れられなくて。なので、星を見たい、です。キレイな星を。街中だとなかなか見られる場所がないので。

大祐 それ死ぬまでに? いやぁ結構見られるよ(笑)。

莉子 星空をちゃんと、よ?

大祐 割と見られるよ。大分とか行ったらすごく見えるよ。大分の星はやばいよ。大丈夫? もうちょっといいの入れとく? たとえば星に行くとか?

莉子 いいです、「星を見る」で!(笑)。

—お二人は『モエカレはオレンジ色』(2022年)以来のご共演ですが、お互いの印象が変わったりしましたか?

莉子 私は大人になられたなと思いました。

—それはどんなところで感じました?

大祐 やっぱり朝の髭の濃さですかね(笑)。

莉子 (笑)。10代の頃は元気な、現場でみんなをクスクスと笑わせてくれるようなそんな感じだったんですけど。

大祐 優しい表現(笑)

莉子 今は現場を引っ張ってくれるような、すごく頼もしさを感じます。

大祐 ありがとうございます。全然そんなことないんですけど。莉子ちゃんは、当時よりさらに、かっこいいっていう印象を今回受けてますね。たくましいというか。僕は今回、男らしく引っ張ろうと思うというよりかは、引っ張ってもらってるっていう感覚がありますね。お芝居もかけるは、冬月ありきの役なんで、僕一人でその世界にいても何も変わらない。 冬月に出会うことで成長していく物語ではあるので。基本的にずっと受け芝居だし、現場でも莉子ちゃんが来ると明るくなる。シーンは重いんですけど、現場全体は活気づいて、本当にパワーがある方だなという印象です。

永瀬莉子 藤原大祐 ツーショット写真3
永瀬莉子 藤原大祐 ツーショット写真4

―では、お二人の思うドラマの注目ポイントを教えてください!

莉子 小春がかけると一緒に歩くシーンでは、 かけるの袖をつかんだりして歩くんですけど、そういうところにすごく二人の距離感が出ていたりします。 初めの方はちょっとつかむ感じです。でも小春の気持ちが変化する中で、少しずつ変化していきます。すごく細かいところですが、距離感の違いが見えてくる部分でもあるので、そういうところに注目しても楽しんでいただけるかなと思います。

大祐 僕はカメラのアングルかな。結構、攻めてるんですよ。簡単に言っちゃえば、顔が映ってないシーンが多いというか、 一番大事なシーンで顔を映さないとかもあるんですよ。意図的にそういう風にしている。台本上では、“かける、涙する”とかいう、ト書きがあったとしても、真っ暗で顔が映ってないシーンがあったりするんです。こっちは感情が高ぶって号泣してるんですけどね(笑)。
それって監督に見えてる景色があるからなんです。それは絶対にステキなのがわかってるから、どんな仕上がりになるんだろうって楽しみなんです。

莉子 小春は見えない分、身につけているものは手触りのいいものとかを重視して選ばれています。逆に服の柄は様々だったり。小春ならではのものがいっぱい散りばめられているので、その辺も注目してもらいたいなと思います。

大祐 あとマイク! 録音部さんが本当に天才で、キレイな音を撮るためにすごく時間をかけて工夫をされてるんです。完全に録音オタク(笑)。シーンを撮り終えるたびに僕のとこに、今のシーンはさぁ、って話に来てくれるんですよ。まぁ、僕がそういう話を聞くのが好きってのもあるんですけどね(笑)!

永瀬莉子 藤原大祐 ツーショット写真5

[永瀬さん]PAW RING/masae RING/soie(RHODES TEL 03-6416-1995) [藤原さん]カットソー ¥2970・カーディガン ¥6930・パンツ ¥6930/Casper John(Sian PR  TEL03-6662-5525)

ながせりこ

2002年8月13日生まれ、広島県出身。
2018年からseventeen専属モデルに。昨年夏号での卒業まで約6年間STモとして活躍!2019年からドラマ、映画と話題作に出演。今年は『御上先生』『初恋DOGs』(共にTBS)、『ひと夏の共犯者』(テレビ東京)に出演。また、初の写真集「glimmers」も発売された。2026年には、作・坂元裕二の舞台『またここか』への出演が予定されているよ。

ふじわらたいゆ

2003年10月5日生まれ、東京都出身。
2019年より芸能活動を開始し人気ドラマに数々出演。昨年『柚木山地の四兄弟。』(NHK)では連続ドラマ初主演。今年は映画『大きな玉ねぎの下で』『俺ではない炎上』『(LOVE SONG)』が公開。ドラマ『ちはやふる-めぐり-』では瑞沢高校の折江役に。シンガーソングライターとして、約1年ぶりの新曲「好き」が配信中だよ。

STORY

人との関わりにトラウマを持つ大学生・空野かける(藤原大祐)。ある日、学生寮のルームメイト・鳴海潮(曽野舜太)から誘われ、鳴海のクラス会に参加することに。そこで、幼なじみの早瀬優子(河村花)から冬月小春(永瀬莉子)を紹介された。以前とある授業で見かけたことのある女性で、彼女が目が見えないことを知る。そして、優子にたのまれ、成り行きで小春の授業のサポートをすることになった。

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内気な男子大学生が、目の見えない女性の夢を叶えるために走り出す!

ドラマ特区『透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。』ポスター写真

ドラマ特区『透明な夜に駆ける君と、目に見えない恋をした。』

出演:永瀬莉子 藤原大祐
   曽野舜太 河村花 染谷俊之 映美くらら

制作:ドラマ「かけ恋」製作委員会・MBS


●MBSドラマ特区枠にて
2025年12月11日(木)より順次放送スタート

MBS(毎日放送)/12月11日より 毎週木曜 深夜0:59〜
テレビ神奈川/12月11日より 毎週木曜 夜11:30〜
チバテレ/12月12日より 毎週金曜 夜11:00〜
テレ玉/12月17日より 毎週水曜 深夜0:00〜
とちテレ/12月18日より 毎週木曜 夜11:30〜
群馬テレビ/12月18日より 毎週木曜 深夜0:00〜

●無料見逃し配信

MBS放送終了後から1週間限定配信
・MBS動画イズム  https://dizm.mbs.jp/
・TVer  https://tver.jp/series/srnxw3ya4f
・FOD⾒放題にて独占配信   https://fod.fujitv.co.jp/

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©志馬なにがし・SBクリエイティブ/ドラマ「かけ恋」製作委員会・MBS 撮影/鈴木昭寿 スタイリスト/kyon[永瀬さん] 勝見宜人(Koa Hole inc.)[藤原さん] ヘア&メイク/市岡 愛[永瀬さん] ヒラタナルタカ[藤原さん] 構成/鹿住恭子