自分の推しポイントは? 好きな役柄は? 市川染五郎さんに17の質問 ~前編~【JK meets KABUKI】
歌舞伎界の若きプリンス・市川染五郎さん(20)がSTにカムバック♡ 劇場版『鬼平犯科帳 血闘』で共演経験のあるSTモデル・中島瑠菜が、染五郎さんの素顔をネホハホしてきたよ。
[染五郎さん]ジャケット¥93500・シャツ¥39600・パンツ¥44000(すべてガラアーベント)/サーディビジョンピーアール メガネ¥165000(TANABIKU)/リーンスプリング ショールーム ブレスレット¥198000/スキャット その他/スタイリスト私物 [瑠菜]カーディガン¥7920(ARCONOMI)/CONOMi 原宿店 シャツ¥7150・スカート¥18150・ソックス¥1320/イーストボーイ リボン¥2190(KANKO Harajuku Select)・ローファー¥6930(HARUTA)/カンコーショップ原宿 メガネ¥165000(TANABIKU)/リーンスプリング ショールーム
1 自分を3つのキーワードで表すと?
アツい、やさしい、カッコいい?…と言われたい(笑)。
まわりからは、“やさしい”と言われることが多いです。人と話す時に聞き役に徹することが多くて、口数が少ないからかも? でも、こう見えて実はけっこう“アツい”タイプ。お芝居でも趣味でも、スイッチが入ると一気に集中して取り組みます。あとは、やっぱり”カッコいい”……と言ってもらえるような人になりたいです(笑)。
2 歌舞伎俳優としての自分の推しポイントは?
演じる役柄がバリエーション豊か
これまで演じてきた役をふり返ると、本当に幅広い役を経験させていただいたと感じます。もちろん、すべてを完ぺきに演じられたとは思っていませんが、公演ごとにまったく異なる役を演じているので、その度に新たな一面をお見せできているのではないのかなと。
3 これまでに演じた中でいちばん好きな役柄は?
『絵本太功記』の武智光秀役!
©松竹
『絵本太功記』の武智光秀は、明智光秀をモデルにした役で、高麗屋が得意とする、線の太い立役(男役)のひとつです。五代にわたって受け継がれてきた憧れの役だったので、演じることができてとてもうれしかったです。もちろんプレッシャーもありましたが、今の自分ができる100%を出しきることを意識して公演に臨みました。
4 染五郎さんにとって、歌舞伎をひと言で表すと?
ある意味、自分自身
自分の中に歌舞伎をやらないという選択肢はないんです。歌舞伎を始めたばかりの頃は、ただ楽しくて、カッコいいからやっていました。でも、ある時点から先人たちが築いてきたものを体現し、受け継いでいくことが自分の役目だと感じるようになって。そういう意味では、「歌舞伎=自分自身」といえるのかなと。これは、そうなりたいという希望も含めた思いですが。
5 もし歌舞伎俳優になっていなかったら?
想像できない!!
よく聞かれる質問で、そのたびに考えるんですけど、ほかのことをしているイメージがまったくわかなくて。しいて言うなら……舞台の演出家かな? 何かを“作る”仕事をしている気がします。……ほかに何かあるかな? いや、やっぱり自分にはこれといった趣味もないので、“作ること”以外はピンとこないですね。
6 ST読者におすすめの演目は?
圧巻の見た目! 歌舞伎を代表する演目『連獅子』
©松竹
多くのかたが「歌舞伎」と聞いて真っ先に思い浮かべるのが、親子の獅子を描いた『連獅子』。上演される機会も多く、視覚的にも華やかで、理屈抜きに楽しめる演目なので初心者のかたにおすすめです。『連獅子』に限らず、獅子が登場する作品はどれもおもしろいのでぜひ!
今っぽいビジュアルと派手な演出に驚愕! 歌舞伎NEXT『朧の森に棲む鬼』
©松竹
松竹と劇団☆新感線がタッグを組んだ作品で、小説が原作。スピーディな展開と、派手なアクションが魅力です。登場人物も個性的で、メイクもいつもの白ぬりではなく、現代的な要素を随所に取り入れています。ほかにも、『ワンピース』や『ナルト』、『風の谷のナウシカ』など、マンガやアニメを原作とした作品もあって、初心者のかたにもおすすめです。
儚い恋の舞いと変身術に注目!『蝶の道行』
©松竹
主君の身代わりとなって命を落とした男女の物語。死後の世界で再会し、その喜びを踊りで表現するシーンは必見。約30分の舞踊作品で見やすく、一瞬で衣装が変わる演出「引き抜き」も見どころです。
7 定番の「型」や「ポーズ」、「見得」「にらみ」について教えて!
「見得」は、歌舞伎の一番の見せ場で、役者がポーズや表情をキメることで、観客の注目を一点に集めるためにします。映像作品でいう“クローズアップ”のような効果があります。よく「見得」は「にらみ」と混同されがちですが、「にらみ」は成田屋さんの特別な技法です。襲名披露といった祝いの舞台で披露されることが多いです。
瑠菜が「見得」に初挑戦!
初挑戦の瑠菜の感想は……? 「ポーズを取るだけで体がプルプル。これを余裕でこなすってスゴイ!」(瑠菜) 「初めて挑戦したときは自分もプルプルしたよ」(染五郎)
見得の表情のひとつ、 “片側だけ寄り目”を実践! 片方の目の前に人さし指を立てて、ゆっくり近づけると成田屋の「にらみ」でもおなじみの見得が完成。
8 セリフはどうやって覚えてる? 飛んだりしないの?
セリフは……飛ぶ。
セリフが飛んだ時は、次のシーンのセリフを先に言ってみたりして乗り切ります(笑)。家で静かに台本と向き合うのはちょっと苦手。むしろ何かをしながらのほうが覚えやすいタイプです。車の運転中がまさにそうで、セリフを口に出してみてつまったら、あとで助手席に置いた台本を確認。それを繰り返して覚えています。
染五郎さんへの質問は後編へ続くよ! お楽しみに♡
いちかわ・そめごろう●2005年3月27日生まれ、東京都出身。十代目松本幸四郎の長男、祖父は二代目松本白鸚。2009年、『門出祝寿連獅子』にて四代目松本金太郎を名乗り初舞台。2018年に高麗屋三代襲名披露公演『壽 初春大歌舞伎』にて八代目市川染五郎を襲名。12月19日配信Amazonオリジナル『人間標本』では現代劇ドラマ初出演となる。
撮影/神戸健太郎 スタイリスト/中西ナオ[染五郎さん] 梨杏[瑠菜] ヘア&メイク/桂川あずさ[染五郎さん] 中軍裕美子[瑠菜] モデル/中島瑠菜(STモデル) 取材/海渡理恵