ラストロングインタビュー【小坂菜緒、ST卒業】
STを卒業するこさかな。最後にSTへの想い、今の気持ちをたっぷり語ったよ。みんなからのメッセージもチェックしてね。
負けず嫌いに火がついた、約7年前のあの日のこと
すべての撮影を終えての感想は“6年半、本当にあっという間だったな”ということ。ST㋲になったばかりの私は、まさか自分が6年半もSTにいられるとは思っていなかっただろうな。だって実は私、最初にSTのカメラテストを受けたとき、落ちているんです。私が日向坂46になる前のけやき坂46のオーディションに合格したのが2017年8月。たった数か月後に、ST㋲のカメラテストを受ける機会をいただけたんです。私の理想が西野七瀬さんだったからこそ、アイドルをしながらモデルのお仕事をするという道を歩んでみたいなという憧れはありました。でもまさかこんなに早くその大チャンスがくるとはまったく思ってなくて。カメラテストも何が正解なのかがわからないまま終わってしまった感覚。そしてその数日後、グループのイベント終わりにスタッフさんから「話があるけど聞く?」と言われたんです。その時点で、STのことだろうなと思ったし、いい話じゃないということも気配で察知。思っていたとおり、結果は不合格。でもそれと同時に、数か月後にもう一度カメラテストのチャンスがあるということも言われたんです。「どうする?」とスタッフさんに聞かれて、完全に負けず嫌いに火がついちゃいました(笑)。“ここで諦めるわけにはいかない”と思って、「やります」と即答。そこからは色々と研究しながら、自分なりにカメラテストへの準備を整えて挑みました。その結果、ST㋲の仲間入り! すごくうれしかったです。
私がST㋲になるのが決まったのは、アイドルになって約半年ぐらいのこと。アイドルとしても撮影をまだあまりしていない時期。だからこそ先にSTで撮影の仕方を学ぶことができたのはアイドルをしていくうえでもよかったなと思います。企画によってファッションやメイクが変わるのがモデル。いい意味で“私はこれがいい”というこだわりをなくすことができました。そのおかげで、アイドルとして表現をするうえでもリミッターをはずすことができた気がします。それに“私、こんなにジャンルごとに変われるんだ”という自信を持つこともできた。“どんな私でも怖くない、大丈夫”と思わせてくれた最初の一歩が、STだったと思います。
モデルならではの大変さでいうと、美容やファッションなど、トレンドを追わないといけないこと。恐竜やマンガ、ゲームと、好きなことがはっきりしているうえに、同じコスメやスキンケアを何年もリピートしたいタイプなので、トレンドを追うことが苦手で。ファッションも同じテイストのものを着てばかりいたから、私服企画でもいまいちトレンドを意識したコーデを提出できなかった。あとになって”もうちょっとお店をみて回るべきだった”とか思って、自己嫌悪になったことも。そんな自分を打破するために、洋服もいろいろみたり、コスメもプチプラなものからデパコスまで幅広くチェックするように。よかったコスメはSTの誌面だけじゃなく、ブログでも発信してみて、自分がいいと思うものに自信が持てたらいいなと不器用ながらいろいろやってみてました。だからこそ“STで紹介していたコスメを買ってみました!”と言われたときはすごくうれしかったです。読者のコの憧れでいられたんだと思えた瞬間。
この6年半の中でコロナ禍があったり、私自身は2021年6月から9か月ほど休養をしていたこともあって、ST㋲のコたちとはいっしょに撮影する機会が少なかったのも事実。夏の学園祭やGirlsAwardなどのイベントがみんなと会える貴重な機会になってしまったのはさみしかった。アイドルをやっていると、グループ外のつながりってなかなかつくれないんです。そんな中で、コロナ禍になるまでは、むしろ組撮影がほとんどのSTの現場は貴重だったし“あ、私はST㋲なんだ”と実感できる機会でもあったから。そういうつながりを後輩のコとは持てなかったことが寂しいけど、でもだからこそ雑誌やSNSを通して“このコの表情いいな”と思いながらST㋲をみる機会が実は増えてました(笑)。私はこっちゃん(瀬戸琴楓)の笑顔が本当に大好きで。どんな企画でも撮影を心から楽しんでいる表情が写真から感じとれる笑顔。それって誰にでもできることじゃない。こっちゃんの才能! (藤村)木音ちゃんのお洋服のみせ方もすごく好き。モデルを楽しんでいるのが伝わって見入っちゃいます。これからも10代にとっての最先端であるSTで、たくさんのみんなの素敵な笑顔をみていきたい。
どんなときもSTはあたたかく迎えてくれた
改めて、STはあたたかな場所だなって思いました。今回も私のために恐竜ドレスをつくってくれたり♡ それこそSTのあたたかさは、休養していた間も感じていたこと。発売前後と重なってしまった写真集のSNSアカウントを休養中もずっと動かしてくれていて、STの公式SNSでも誌面のオフショットをあげてくださったり"一瞬たりともこさかなを忘れないぞ!" という思いをたっぷり感じてました。そしていざ復帰したときの最初の撮影では、写真集チームのスタッフさんを集めてくださったこともすごくうれしかったし、おかげで安心して撮影をすることができた。STは本当にどんなときもアットホームな場所でした。
これまでのST㋲の先輩たちをみていても、みなさんだいたい20歳前後で卒業されていたので、私も卒業するならその辺りなのかもとうっすら考えていました。そして22歳になった今、STで学んだたくさんのことをもしほかでも生かすことができるなら、次にステップアップしてみてもいいのかもと思ったんです。モデルの楽しさを私はSTで知ることができたから。ここで新しい自分をたくさん知れたことに本当に感謝しているんです。モデルをこれからも続けていく機会があればいいなと思っています。
そしてST㋲小坂菜緒をこの6年半応援してくれてありがとうございました。ST㋲として活動していく中で「STをみて好きになりました」と言ってくれた女のコがいたり、男性のファンのかたも「ST買って読んだよ。こういうのが流行ってるんだ」ってSTでトレンドを知ってくれるかたもいたり、STを通してファンの人とコミュニケーションをとれたことも幸せでした。ST㋲としての期間を経て、また大人になった私をみてもらいたいし、アイドルとしての姿もたくさんみていただけたらうれしいです。
卒業するこさかなへメッセージ
「卒業おめでとうございます! そしてお疲れ様でした。“そろそろ卒業しちゃうのかな”と感じていたのでとても寂しいです。誌面の撮影でいっしょになることはあまりなかったけど、ファッションショーやイベントで会うたびについ声をかけたくなってしまう優しい雰囲気で、笑顔でお話ししてくれるこさかなちゃんが大好きです! 同じST㋲として会うことはなくなってしまうけど、また違う場所で会えるのを楽しみにしてます!」by田鍋梨々花(STモデル)
「こさかなちゃん、卒業おめでとう。初めて会った時の少し儚げな印象とは裏腹に、あれ、まだあるの?っていう、意外な引き出しをどんどん開けてくれるのがとても魅力的で、会うたびに『好き♡』が増してました。アイドルにモデルにと忙しくて大変なこともあったと思うけど、6年半STを盛り上げてきてくれて本当にありがとう。そんな姿はきっと後輩㋲たちの憧れであり続けると思います。ずっと応援してるよ♡」by編集長
「写真集の撮影では、体づくり、カメラの前に立つ姿勢……こさか なのプロ意識とストイックさに感動したことを覚えています。“人ってこんな発光しますか?”って写真を見ながら泣いたことも。合間にくだらない話で笑ったのも楽しかったね。そんな10代のキラキラこさかなを経て、どんどん輝きを増し続けている大人なこさかなのこれからが楽しみすぎてワクワクしています! たくさんの愛おしいをありがとう♡ ずっと大好き!」by写真集『君は誰?』担当編集
「卒業おめでとう! 出逢いはSTでした。本当に妹が出来た気持ちで、学園祭や撮影の時、ずーっと後ろについてきてそばから離れない菜緒が可愛くて仕方なかった。だからこそ私が卒業する時、一番の心配は菜緒でした。だけど、STで可愛いを更新し続けてる菜緒を見て、姉としてすごく誇らしかったしうれしかった。これからもずっと坂道姉妹♡ 何かあったらいつでも連絡してね。これからもいっぱい話しかけに行くね! 大好き!」by久保史緒里(乃木坂46)
美しさも可愛さも、そしてオタク気質だったりと、どこを切り取っても魅力的なこさかな。こさかなってやっぱり最高だ!
Photos:Hiroshi Fujiwara(Pygmy Company) Styling:Sayaka Kitagawa Hair&Make:Nozomi Kawashima(io) Model:Nao Kosaka(ST MODEL) Text:Yuko Uemura