今話題のアニメ『アオのハコ』! 部活と恋に一生懸命な高校生たちの青春物語が描かれているストーリー。主人公の猪股大喜役の声を務めている千葉翔也さんと、大喜が恋するひとつ上の先輩・鹿野千夏役の上田麗奈さんがST-Webに初登場! 収録現場の裏側や、おふたりの学生時代についてなどを聞いちゃいました♪ 意外な素顔が見られるかも……!

大喜も千夏も“普通なんだけど尊敬できる人物”

――アニメ『アオのハコ』に出演が決まった時の感想を教えてください!

千葉 めちゃくちゃうれしかったです! 主人公の役でもあったし、作品を読ませていただく中で、感情表現などが繊細で素敵な作品だなと思ったので、演じるのがすごく楽しみだなと思いました。

上田 私もうれしかったです! だけど正直、不安のほうが大きくて。スタジオオーディションの時に、千葉さんと、蝶野雛役の鬼頭明里さんと私の3人で掛け合いをやらせていただいたんです。その時から、千葉さんと鬼頭さんのお芝居が“ふたりにこの役をやってほしい!”と私が切望するくらい素敵で! “ふたりだけでもどうにか受かって……!”という気持ちでその日を終えたんですよね。自分自身は手応えがなくて、“もしかしたら少し違ったかもしれない……”と思っていた中で、 おふたりと一緒に、私も千夏役で、と伺った時は、うれしさと光栄さと、でも私自身は自信がないという気持ちで不安もすごく大きかった。アフレコが始まる前も、始まってからも、ずっと不安で頑張ってきたな〜という思いです。

――今回、演じられた大喜と千夏。ふたりが感じるそれぞれの役の魅力を教えてください!

千葉 原作を読んでいる時は、大喜は普通の男の子という印象で、読んでいて素直に応援できる主人公だなと思っていたんです。  だけど、演じると決まって、掘り下げてみると、普通のことを普通のタイミングで言えることのすごさだったり、狙うことなく他の人を励ませる温かさだったり、自分が負けそうになったり折れそうになった時に、それでも一生懸命に物事に向かえる熱さだったり…っていうのは、根っから持つ才能かのように感じたんですよね。読んでみた時と演じた時で印象が違って、“すごいな”“尊敬できるな”という気持ちが今はいちばん強いです。

上田 千夏に関しては、人気や実力を兼ね備えているけど、自分自身はあんまり無頓着な感じ。だからこそ、あざとさがなくて、スポーツ少女としてのサバサバ感みたいなところが、最初は印象的でした。その上で、ミステリアスに見えるのはなんでなんだろう……って思いながらオーディションを受けていたんです。だけど、アフレコをやっていて、本人はすごく素直に感情を動かしたり、表情に出したりしているんだなって気がついたんです。本人はすごく周りの人に気をつかったり、思いやったりできる温かさを持っているから、それを出しきれなかったり、言葉にしきれなかったりする部分があるだけで、実際のところは、すごく普通の女の子なんだなと思って。でも、その普通が素敵だなっていうのは、千葉さんのお話とも通ずる部分があるとは思うんですけど。だからこそ、尊敬できるし、まぶしいし、魅力的に映るなって演じてみて思いました。

――お互いが演じられたキャラクターについてはどう思っていますか?

千葉 上田さんとの掛け合いを通して、大喜にとって、千夏がちゃんと会話してくれるんだなと思いました。それによって、こんなに大喜に対して言葉をくれるのに、“自分に恋愛感情がないってマジかよ!”という、大喜の目線での戸惑いの感情がよりプラスされました(笑)。マンガで読んでいる時って、千夏がクールにも見えるシーンもあるので、一個下の男子高校生に対しては、このぐらいのやや遠めの距離感が適切だよなって僕も思っていたのですが、それが声の芝居でちゃんと会話をすると、“こんなに気をつかってくれてるのに、こっちのこと好きじゃないのかよ!”っていう大喜の気持ちになるんですよね(笑)。その感情の動きみたいなものが、よりリアルに生まれました。

上田 私もすごく会話が楽しいなと思っていて。最初のほうは、ぎこちなさもあったりしたんですけど、(大喜と千夏が)一緒に暮らし始めて、物理的な距離がグッと縮まったけど、慎重に歩み寄っている感じが、すごくおもしろいなと思いつつ、大喜のパーソナルな温かさがすごく伝わってくるので、“ゆっくりでもいいのかも”と思わされるというか。頑張って距離を縮めたり、自分の気持ちを早く整理しなきゃとか思わなくていい感じがあって。それが原作を読んでいる時よりも、アニメのアフレコで掛け合っている時のほうが感じたので、千夏がゆっくり気持ちを確認していけるのは大喜の人柄のおかげなんだなっていうのを、千葉さんのお芝居ですごく感じられたなと思います。

アニメ『アオのハコ』の主役とヒロインに直の画像_1

収録現場では感想を言い合って自信につなげています

――今回、雛役の鬼頭明里さん、笠原匡役の小林千晃さん、 針生健吾役の内田雄馬さんとは他の作品でも共演されたことがあるかと思います。収録現場などでの雰囲気を教えてください。

千葉 毎週会ってしゃべっているのが、非常に自然な感じというか、雰囲気良いですよね。

上田 うん、すごく良いです。年齢や世代も近いので、話しやすい。そして、みんな、おしゃべり上手というか。だから、話を聞いていても楽しいし、優しく巻き込んでくれる感じの温かさもあるメンバーなので、居心地がいいです。アフレコをやっていても、「このシーンすごくいいね」とか、「この時の千夏は〜」、「あの時の雛は〜」みたいな、作品のことやキャラクターのことに感想を述べ合う時間も多いです。「まぶしい世界っていいね」って言いながら考察したりもしています。

千葉 この段階の大喜や千夏や雛とか、「何を考えて、これを言ってるんだろうね?」みたいなことを話し合ったりしていますね。当たり前のようで、こんなに1シーン、1シーン、ちゃんと感想を持ってくれるキャストが集まることって、結構稀有なことだなと思います。

上田 確かに! 休憩時間に、テストや本番のこととか、お芝居のことも含めてみんなで語り合うことってあんまりなくて。相手のお芝居に触れることも、人によっては苦手な感じがするというか……。

千葉 感想を持たれたり、伝えられることとかね。

上田 プロ同士でやっているということも、たぶんあるからだと思うんですけど、相談することも少ないイメージがあるので。『アオのハコ』に関しては、私も千葉さんに、「千夏、どうでしたか?」って積極的に聞いています。

千葉 僕も上田さんに聞いています。褒め合える現場は、なかなかないかなと思います。

ふたりの学生時代は軽音部と演劇部。他者評価を気にしていた⁉︎

――役づくりをするにあたって、自分の学生時代を思い出したりされましたか? おふたりはどんな学生時代を送っていましたか?

千葉 思い出すというより、僕、学生時代から内面は何にも変わってないです(笑)。高校では、軽音部だったんですけど、軽音部って、ライブの時は非常に歓声をもらったりするんですけど、日々の練習は何をしているのか、周りの友達には伝わりづらい。特に僕はボーカルだったので、「何してるの?」と思われていたはず(笑)。だけど、ライブなどをきっかけに、周りと仲良くなれたりしたことはうれしかったですね。昔から、自分から積極的に人に声をかけて行くのが苦手なタイプ。何か月か経過しないと、オープンマインドになれなかったんですけど、大喜は全然そういうところがないので、(自分の学生時代は)逆に切り捨てています(笑)。

 

――例えば、大喜のように“猪突猛進”みたいな、似ている部分はありましたか?

千葉 あ〜、それはあったかも。勉強や部活、ゲームとか、何か障害が起きて止まらない限り、気がついたら何時間もやっているみたいなタイプでした。苦痛だと思いながらも、1日10時間ぐらい勉強したこともあるくらい。スポーツの大会とかで頑張った経験はないですけど、わりと熱中すると無心で続けられるタイプかもしれないです。

上田 私の学生時代は、今よりもっと自己開示が苦手で。素の自分を見せるとか、気持ちを伝えることがなかったし、自分のことは今よりもあまり好きじゃなかった。自分の内面をさらすっていうことをしてなかったから、自分がどのくらい人に受け止められるものなのかっていうのもわからなくて。自分の気持ちや心の中で、“自分はあんまりいい人間じゃないな”とか、自己判断で自分を苦手になっている学生だったかな。役づくりの参考にはなりませんでした(笑)。

千葉 ちょっと重たい話ですね(笑)。  

上田 ですよね(笑)。演劇部に所属していたんですけど、自分じゃない存在になるってことは、“自分のことを何も考えなくていい”ってその時は思っていて。今は、自分の経験や気持ちもつなぎ合わせてお芝居することができるんだと気づいて、自分とつながるようになりましたけど、その当時は、自分を一切消して、“別の人間になるんだ”と思い込んで、お芝居をしていました。でも、演じていたことを「すごいね」ってほめられると、自分が少し認められた気がして、それはうれしかったな。だから、“もっと頑張れば、他己評価は得られるかも”って思っていました。今思うと、自分で自分を満たすことができなかった私としては、他己評価を得られるものとして、演劇部が救いになっていたのかも(笑)。

 

――『アオのハコ』は、大喜と千夏の甘酸っぱいやり取りや、青春のキラキラ感みたいなシーンがありますけど、どう作り上げていったのですか?

千葉 これまで自分が関わってきた作品の中では、一番話し合っているかもしれないです。あと、(千夏として)聞いてどうだったかを上田さんに尋ねています。それは上田さんの感性を非常に信頼しているからなんですけど、(大喜の言葉として)うれしかったかどうかを聞けることがまず大きいですね。

上田 大喜と千夏の言葉の関係性について、よくおっしゃってますよね! 刺しに行く言葉じゃないけど、「(千夏に)刺さっている?」って。

千葉 大喜の言葉って、大喜がそう思っていれば思っているほど、わざわざカッコいい言い方しないから、わかりにくいかなって思うんですけど、そのあたりのバランスを上田さんに聞いています。(千夏が)「うれしかった」って言ってくれたら、もうそれがすべてだなと思うので。

上田 私もそうですね。あざとくないように、わざとらしくないように、千夏の言葉が大喜に刺さったり、ときめいたりしてくれたらいいなと思うので、終わった後すぐに、「今のどうですか?」とか「テストのほうが可愛かったですか?」と聞いたりしますね。

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高校生に戻れたら、夢の国で制服デートがしたい!

――今、大喜や千夏のように、高校生に戻れるとしたら、何かやりたいことはありますか?

千葉 ディズニーランドで制服デートですね!(即答) 一度もしたことがないので。耳とかついているカチューシャも絶対つけたい派です!

上田 デートか〜。恋愛は確かにいいな〜。部活内恋愛とか! 高校の時、私はなかなか踏み出せなかった領域なんですけど、周りの子が部活内恋愛をしていて。私も密かに憧れていました(笑)。演劇部にこだわらず、スポーツ系の部活内でもいいかも。『アオのハコ』みたいに、違う部活で、同じ体育館内に好きな人がいてみたいなシチュエーションも楽しそうだなと思います。

――恋バナになったところで……おふたりは今もし好きな人ができたら、告白したいタイプですか? されたいタイプですか?

千葉 告白は、自分からしたほうがいいかなって思います。こっちから好きでいることのほうが幸せなんじゃないかなって。でも、学生時代は、自分から誘ったりすることは本当に無理でしたね。理由なく、ごはんとか誘えなかったし。そういう意味では、好きな子としゃべることができただけでよろこんじゃうタイプかも。これといった行動に移せなかったし、オムライスを一緒に食べただけでデートだと思っていました。いまだに覚えています(笑)。

上田 可愛い(笑)。私は、告白する、される、どっちがしたいかはあまりないかもしれなくて。気持ちを伝える前に、たくさん話をして相手を知りたいタイプかなと思います。気まずい話や言いづらい話とか、あとになればなるほど言い出しづらいこととかもきっとあるから、そういうことも含めて話をしたいな。それで、どんな人なのかを知って、ちゃんと仲を深めてから、お互いが好きな気持ちが大きくなったら、そのあとの告白は、もうどっちでもいい。とにかくたくさん話をできるくらい近くにいるようにすると思います。

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“何かを頑張りたい”ってエネルギーをもらえる作品!

――最後に、セブンティーン読者に向けてメッセージをお願いします!

千葉 僕は、“この瞬間から大人になった”みたいな経験って、意外となくて、10代の自分から地続きで今を生きているんです。それゆえに『アオのハコ』を共感して楽しめています! 本当に素敵な作品で、10代のみなさんがどう思うのか、すごく気になるし、本当に楽しんでいただけると思うので、その声を上げてくれることで、より作品のパワーにつながるし、僕らもよりうれしいので、アニメが心に刺さったら、「刺さったよ!」って大きな声を出してほしいです。それと、スポーツをしている姿がていねいに描かれているのも見どころです! 彼らが大事にしているスポーツだからこそ、アニメーション担当の方もすごく一生懸命にカッコよく描いてくれたと思うので、アニメになったことで、その熱さが伝わりやすいかなと思います。  

上田 私も、『アオのハコ』は、私が現役高校生だった時に出会っていたら、もっとエネルギーをもらえていただろうなって思います。大喜や千夏、雛みたいに、“頑張りたい”っていう欲が、もっとふくらんでいたと思ったりするので、すごくいい影響を与えてもらえる作品なんじゃないかなって思います!

 

♡学生時代やスポーツにまつわる 1問1答コーナー♡

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Q. 学生時代の好きな教科と苦手な教科は?

千葉 好きな教科は、現代文と英語と世界史。苦手だったのは地理。
「本当に方向音痴なので、帰り道でも反対方向に進んじゃいます(笑)」

上田 好きな教科は美術と世界史で、苦手な教科は数学と英語。
「絵を描くのは好きで、美術史とかもすごく好きだったので。世界史は、先生がすごくおもしろくて、教え方も上手だったのですごく好きでした」

Q. 好きだったお弁当のおかずは?

千葉 生姜焼き。あとは、冷凍食品の唐揚げや、シンプルな卵焼き。

上田 冷凍のトマトコロッケ。
 

Q. 学校の中で好きだった場所は?

千葉 高校の軽音部の部室
「部室が半分屋外みたいな感じで、部員のみんなで常にいました」

上田 体育館のステージのそで。
「演劇部の部室が上手と下手でそれぞれであったので、思い出の場所です」

 
Q. 学生時代、友達には何と呼ばれてた?

千葉 中学までは、ずっと苗字の呼び捨て。高校からは下の名前。
「あだ名は今まで1回もないです(笑)」

上田 “レレ”か、“レレさん”
「麗奈だから、その頭文字をとって呼ばれてました」

 
Q. 今好きなスポーツは?

千葉 するスポーツだとテニス。見るのはラグビー。
「テニスは、小学校から中学校まで週1だけ習っていました。いまだにサボる夢を見ます(笑)。ラグビーは、ワールドカップを開催中に、パブリックビューイングを観に行ったりしたこともあります!」

上田 F1!
「ちょこちょこレースも見ています。好きなドライバーは、ルイス・ハミルトンさん」

千葉翔也

ちば・しょうや●1995年8月29日生まれ、東京都出身。『青のオーケストラ』の主役・青野一、『ようこそ実力至上主義の教室へ』の主役・綾小路清隆、『地縛少年花子くん』源光、『WIND BREAKER』楡井秋彦など、数々の人気アニメ・ゲーム作品に声優として出演している。

上田麗奈

うえだ・れいな●1月17日生まれ、富山県出身。『わたしの幸せな結婚』の主役・斎森美世、『わんだふるぷりきゅあ!』の猫屋敷まゆ/キュアリリアン、『鬼滅の刃』の栗花落カナヲ、『マッシュル-MASHLE-』のレモン・アーヴィン、『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』の望月穂波など、多くのアニメやゲームで声優を務めている。

≪STORY≫

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毎朝一番に会いたい人がいる――

中高一貫のスポーツ強豪校・栄明高校に入学する、男子バドミントン部の一年生・猪股大喜。

大喜は毎朝、朝練で顔を合わせる一つ上の先輩、鹿野千夏に恋をする。

千夏は女子バスケットボール部のエースで、校内外問わず人気の高嶺の花。

部活に恋に勉強に、大喜にとって忙しい高校生活がはじまる、そんなある日――

撮影/花村克彦 取材・文/宮平なつき