注目の作家さんをクローズアップして、最新作や過去の名作を紹介する「今、このヒトが読みたい!」。今回は久々の長編小説が発売されて、書店でもめちゃ盛り上がってる村上春樹さん。毎年ノーベル文学賞を受賞するかも⁉って話題にもなってるし、一度読んでみたいけど、作家歴も長いだけに人気作品もいっぱいで、どれから読むか悩みどころ!! タイプ別のおすすめデビュー作品はコチラ!

「とりあえず最新作から読んで話題に乗りたい」タイプ

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村上さんが『1Q84』以来、7年ぶりに複数巻の長編小説を発売するってことで、話題になった本。ちなみに第1部のサブタイトルは「顕(あらわ)れる」と読みます。いきなり奥さんと別れを告げられて、山頂に建つ家に住むことになった画家の「私」が、不思議な人たちに出会い、おかしな出来事に巻き込まれてしまう……。どこまでが夢で、どこからが現実なのか、わからなくなって頭の中が「?」だらけになるんだけど、謎を解くためにも読み進めたい気持ちも止まらない!! 『騎士団長殺し 第2部 遷ろうメタファー編』まで一気読み決定です。
『騎士団長殺し 第1部 顕れるイデア編』村上春樹 ¥1800/新潮社

「村上さんといえば長編なんだし、長編からスタートでしょ」タイプ

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最新作の『騎士団長殺し』もそうだけど、村上さんといえば長編小説!『ねじまき鳥クロニクル』は文庫版で全3巻、『1Q84』は文庫版で全6巻という大作。それはさすがにハードルが高いので、村上さんがはじめて15歳の少年を主人公にした『海辺のカフカ』から読んでみるといいかも。これなら文庫版でも上下巻で完結。15歳の誕生日を迎えた「僕」は家を出ることを決心。家から遠く離れた知らない街の図書館の片隅で暮らすことに。一方、猫と交流できる老人のナカタさんもトラック運転手のホシノ青年の力を借りて「入り口の石」を探してる。「僕」とナカタさんの世界はどうつながる? 世界中で翻訳されて評価されてる名作だよ。
『海辺のカフカ』上巻 村上春樹 ¥710/新潮社

「やっぱりデビュー作から歴史を振り返りたい」タイプ

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1979年にこの作品で群像新人文学賞という賞をとって小説家としてデビューした村上さん。当時の村上さんは、大学生のころにオープンさせたジャズ喫茶を経営しながら小説を書いてたんだって。主人公である「僕」が、「鼠(ねずみ)」という友人、バーで出会ったある女性と過ごした大学時代の思い出を語るもの。デビュー作であるこの作品で、いきなり芥川賞候補になったとか。村上さんの小説家としての出発点を知るなら通らないわけにいかない!
『風の歌を聴け』村上春樹 ¥390/講談社

「あえて翻訳家・村上春樹から読んでみちゃえ!」タイプ

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自分で小説を書くだけじゃなく、海外の小説の翻訳でも人気がある村上さん。才能ありすぎだよね!? そんな村上さんが翻訳した海外のラブストーリー9篇+書き下ろしの恋愛短編1篇が一度に読めるおトクな1冊♡ 14歳の男のコ・アンジェロが気になる女のコ・テレサのあとをつけていく『テレサ』、もうすぐ大学進学する男子2人と女子1人の三角関係を描いた『二人の少年と、一人の少女』など、海外文学がニガテなコにも読みやすそうな物語も。すべての小説が村上さんによる「恋愛甘辛度」採点つきだから、そのときのテンションに合わせて読んでみても。
『恋しくて : Ten Selected Love Stories』村上春樹(編訳) ¥1800/中央公論新社

「読みやすいエッセイから村上さんを知りたい!」タイプ

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村上さんが2015年1月から4月まで期間限定で質問&相談を受けつけるホームページを開設。世界中から届いた37465通のメールを全部読んで、一部のメールに村上さんが直接返信したんだって。当時Webで公開されてたメールを送った人と村上さんとのガチなやりとりのうち、473が本にまとめられてるよ。「文章の書き方」みたいなマジメな質問から、猫のこと、野球のこと、ドーナツのこと。さらには村上さんを合コンに誘ってみたり、「それ村上さんに聞いちゃう?」な質問&相談も(笑)。笑っちゃう回答もあれば、さすがな考え方や人生経験がチラ見えする回答があって、1冊読むうちに村上さんが身近な「先生」みたいな気持ちに。
『村上さんのところ』村上春樹 ¥1300/新潮社
構成/古川はる香