読書好きなコも、これから本を読みたいなって思ってるコも楽しめちゃう連載がスタート!「こんな気分のときにハマる本」をSTがピックアップしてお届けするよ♡ 第1回は青春ど真ん中なみんなにおすすめの本を紹介。読書好きのSTモが「図書委員」としてテーマにあう推し本を紹介するコーナーも見逃さないさないでね。初回は"じゅったん"こと上坂樹里が登場! さっそくチェックしてこ!

「好き」だからつらくなることだってある

【ST図書室】<第1回>青春にひたりたいの画像_1

高校バレーをテーマにした青春ストーリー。インターハイ予選ではじめて準決勝に進んだ明鹿高校男子バレー部。全国常連校との大切な試合を前に主人公の宮下景はケガをして欠場。好きだったはずのバレーとの向き合い方に悩んでしまう。試合でケガをする前夜に出会った同級生の真島綾とやりとりしながら、自分を見つめ直していく景がたどりつく答えは? 作者の坪田さんは現役大学生で、中学・高校ではバレー部に所属してたんだって。部活やってるコは共感できるポイントがたくさんありそう!

 

『八秒で跳べ』坪田侑也

¥1870/文藝春秋

才能さえあれば青春は勝ち組決定?

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世界的に活躍する同世代を見てると「自分にも才能あったらな…」って思うけど、「天才」って呼ばれるような才能を持ってたら、人生勝ち組なのかな? この小説で描かれるのは2人の天才フィギュアスケート選手。ひとりは卓越したセンスと表現力を持つ完璧主義者で、過激な発言や行動が問題になることも多い京本瑠璃。もうひとりは圧倒的身体能力で、誰にも飛べないジャンプの限界を超えていく雛森ひばり。オリンピックに出場できるのは、全日本女子フィギュアスケート選手権で勝利したひとりだけ……。これまでの人生すべてをかけて、2人は戦うことに! 瑠璃については振り付け兼コーチの目線から、ひばりについては幼なじみでケガのためスケートをあきらめた友達の目線から語られるのが新鮮。

 

『この銀盤を君と跳ぶ』綾崎隼

¥1870/KADOKAWA

「カッコいい」だけが主人公じゃない!

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第170回直木賞受賞作☆ 京都を舞台に⁠した『八月の御所グラウンド』⁠と『十二月の都大路上下ル』2つの物語が一冊に。主人公は借金のせいで真夏の草野球大会にしぶしぶ出場することになったポンコツ大学生と高校の駅伝大会で補欠選手として走ることになった方向オンチなJK。読んでるうちに2人を応援したくなってくる! クスッと笑えて、ちょっと不思議が味わえて、最後には感動が止まらないはず。


『八月の御所グラウンド』万城目 学

¥1760/文藝春秋

隣のあのコの悩みに気づけるかも

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ある高校の演劇部で、童話『人魚姫』をもとにしたオリジナル脚本『姫と人魚姫』を上演することに。人魚姫を演じるのは部員の真砂。生まれたときに割り当てられた「男」という性別に苦しんで、「女の子」として生活することを選んだ真砂と演劇部のメンバーは深い議論をしながら劇を作り上げる。それから数年経って、大学生になった当時の演劇部員たちに『姫と人魚姫』再演の話が出るけど、高校卒業後、真砂は女の子として生きることをやめてしまっていて……。真砂と同じようなつらさを抱えている同級生が近くにいるかも?って思う人が増えたら、きっと少しずつでも世の中は変わっていくよね。

 

『Blue』川野 芽生

¥1650/集英社

ひとり時間に読んだほうがいい超短編集

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シュールなアニメコント動画が人気のマリマリマリーが小説に‼ 動画で公開されてるものから書き下ろし作品まで5分後に心と腹筋がふるえる超短編ストーリー20篇が集まっているよ。『文化祭の出し物を月額制でやるクラス』『バレンタインで下駄箱にチョコ詰められてキレるやつ』など、学校での「あったらウケる」シチュ作品も。通学中の電車で読むと表情保てなくなってヤバいかも!(笑)

 

『卒業式前日に転校してくるやつ マリマリマリーのショートショート小説集』マリマリマリー、洛田二十日(著) 田丸雅智(監修)

¥1540/KADOKAWA

【今回の図書委員:上坂樹里】「やりたいこと、好きなことやっていい!」と勇気をもらいました

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本屋大賞を受賞した『成瀬は天下を取りにいく』の続編で、セットでおすすめしたい小説です。 

 

主人公の成瀬あかりの行動がとにかくぶっ飛んでいるんです。

ですが、その真っ直ぐで直球で、何事も前を向いて行動する生き様にすごく惹かれました。 

自分がやりたいこと、好きなことを思いっきりやっていいんだと勇気を沢山もらった一冊です。 

短編集になっているのでとても読みやすく 

普段本を読まない方でも手に取りやすいと思います。


【あらすじ】

前作『成瀬は天下を取りに行く』では、地元の百貨店が閉店になると聞いては毎日中継に写りこみに行ったり、M-1に出場したり、中学~高校と自分の決めた道を全力で突き進んできた成瀬あかりが大学生に! 成瀬と親友の島崎の漫才コンビ「ゼゼカラ」推しの小学生、成瀬の親、近所のクレーマー主婦……。みんな成瀬とかかわることで人生がちょっと変わっていくことに。
 

『成瀬は信じた道を行く』宮島未奈

¥1760/新潮社