福(桜田ひより)と宝(細田佳央太)。ごく普通の高校生カップルに”妊娠”という予想外の現実が訪れる。その時、二人は?家族は?友人は?同名少女漫画を原作とした話題作で主演をつとめるのは、桜田ひよりさんさん。リアルでデリケートなテーマを描くドラマに挑む思いを、桜田ひよりさんと細田佳央太さんの二人が話してくれたよ。ドラマには、茅島みずきちゃん、JO1の河野純喜さんも出演しているよ!

“高校生の妊娠”を真正面から描くドラマ『の画像_1

Q. この作品に出演が決まった時の心境は?

細田「正直とても不安でした。すごく丁寧に扱わなきゃいけない繊細な作品だと思ったし。自分で大丈夫なのかな、という不安が一番最初にありましたね」
桜田「私はみんなが触れそうで触れない"何か"がある作品だと思っています。でもそういう作品を作っていけるのは、この歳だからこそと思いましたし、私たちにしか伝えられないものがある気がして。その受け取り方は人それぞれだとも思っています」
細田「そうですね」
桜田「一つの正解じゃなくて、いろいろな選択肢があるんだよということを、きちんと伝えていきたいと思いました。私自身も不安はありましたけど、とにかく自分がきちんとやらないといけないという使命感がまず先にあったので、ワクワクもしました」

Q. 初共演のお二人ですが、相手役だと知った時の心境は?

細田「頑張らなきゃな、、それしかなかったです(笑)」
桜田「え〜?私は、細田さんならこれはもう大丈夫だな!って思いました(笑)。テレビでお仕事をしている姿を見ているだけで、”いい人”なんだろうなというがにじみ出ていたので(笑)。二人なら、どっちかが引っ張るとか、引っ張ってもらうとかではなくて、お互いが横並びで作品のことを考えていけるんだろうなと思いました。私自身はすごく安心感があって、頼もしく感じました。そして、実際にあっても、いい人!(笑)」
細田「ここで悪い人とは言えないでしょう(笑)。それがあきれに変わらないように、気を張っていかないとな。でも、そういう風に見ていただけてるのは、ありがたいです!共演は初めてですけど、僕の仲良い子たちが共演していて。桜田さんについて聞いていたのは、”めちゃくちゃいいコ”っていうのと、”めちゃめちゃ芝居がうまいよ”。この2つ。その前情報で、安心してたし、だからこそ自分は頑張らなきゃって思いました」
桜田「それを聞いて、私もホッとしました。私、細田さんが映画『バジーノイズ』について話されていた番組、録画しました!(笑)。お話ししてくださって、うれしかったです!」
 

「福(さち)ちゃんは、小さな幸せを見つけてハッピーな気持ちになれるコ」byひより

Q. それぞれの役についてはどう感じていますか?

細田「宝がシングルマザーで育ってきてるところとか、環境的に似ているなって思う部分があって。それゆえの自立心や、責任感の強さみたいなところは共感できるポイントです。それだけに、宝が好きな人に向ける愛情は素敵だなって思っていて、そこは大切にしなきゃいけないなと」
桜田「福ちゃんはとても些細なこともきちんと汲み取れるコだと思います。人のちょっとした動作とか、目線の動きとか、見ていないようで見てる。周りの空気を中和しつつ、人と違った視点でものが見られる。みんなが感じ取れないような小さな幸せとか嬉しさを見つけて、ハッピーな気持ちになれるコ。私にも兄がいるので、育ってきた環境も似ています。家族だんらんの時と、友達といる時と、どこか表情が違ったり、リラックスする場所が違ったり。そういう部分はすごく共感できます」

Q. 福と宝がもし身近にいたとしたら?

細田「二人との関係性にもよりますけど、それまでのつきあいから二人なら大丈夫だろうって、信頼はできると思います。何か言葉をかけるというよりも、たぶん二人は真っ直ぐ歩いて行けるから、そこに寄り添っていくのかな。だから具体的に何かを言う必要はなくて、求められた時に何かできたらいいなと思っています」
桜田「結末を知っている訳ではないから難しいですけど。でも、細田さんが言うように関係性にもよりますけど、二人が歩いていく道を見守っていくんじゃないかと思います。二人が決めたことなので、周りが何か言うのは違うかなと思っちゃいますね。でも絶対、応援する言葉とか、二人を信じられる言葉をかけると思います」

 

「福と宝、尊敬でしかないです!」by佳央太

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Q.  第三者として二人のことをどう見ていますか?

細田「尊敬でしかないです!本人たちでしか生まれない、当事者だけしか共有できないことに対して真っ直ぐな目で最後まで迷いながらも突き進んでいく…。それは純粋にすごいなと。
桜田「応援してあげたいというか、見守ってあげたい二人でありたいと思って演じているので、第三者としてもそういう感情になるんじゃないかなと思います。正解も不正解もないですが、観てくださる方が、この二人を見て少しでも嫌な気持ちやマイナスの感情になることをできるだけ無くしたいと思っています。だからと言って、こう思ってほしいとか決めつけはしたくない。少しでもこの二人を応援したい、見守りたい、見届けたいと思いますし、そう思ってもらえるように演じていきたいです」

Q. 演じていく中で、難しそうだなと感じることはありますか?

細田「監督から最初に、いわゆるお芝居、をしてほしいわけじゃないとお話がありました。二人の会話のテンポ感や雰囲気はリアルにと。これから先、その場にならないとわからない、先の見えない心情もあると思います。それは難しいと感じるよりも、その時の自分はどうなるんだろうというシンプルな疑問ではあります」
桜田「この作品の台本にはあまりト書がなくて、動きとか、決められたことが少ないんです。それだけに、撮影現場で生まれるものだったり、恋人同士の距離感だったり、友達同士のじゃれあいとかをすごく大事にしたいと思っています。それは難しそうというより、楽しみの気持ちの方が大きいですね」
 

「どの選択も正解でも不正解でもないと言うことを感じ取ってほしい」byひより

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Q. 二人と同世代のST読者にメッセージをお願いします

細田「一番は、桜田さんがおっしゃったように、観た人がちょっと嫌だなっていう見え方にならないように気をつけたいし、この作品のテーマはこれです、といった縛りで観る人の視野を狭くしたくないですね。当事者の世代である皆さんや、迷いとかを抱えているコが観た時に、宝と福さんが経験したことや二人が共有したこと、周りの環境とかは、こういうこともあるよ、ってその背中を押すようなことができたらいいなと思っています」
桜田「正直なことを言うと、観るのを躊躇するコもいるかもしれないと思うんです。すごく現実味があるし、意識的に避けがちな題材でもあるので。でも、だからこそ観て損はないと言うか、マイナスのものではない。私たち自身もそこは胸を張って言えることです。この作品を観て何か感じ取っていただけたらいいなと思います」
細田「そうですね」
桜田「もし選択を迷っているコがいるとしても、どの選択も正解でも不正解でもないと言うことを感じ取っていただけたらなと思いますし、決めるのは本人たちの意志だよと伝えたいです。この作品で知識を増やしてもらえることが一つでもあればいいなとも思います」

Q. テレビに映画に引っ張りだこのお二人ですが、息抜きやリフレッシュ方法は?

細田「最近気づいたんですけど、僕は家事をすると強制的にオフモードになるなって」
桜田「え〜!すごい!」
細田「洗濯物をたたんだり、ご飯を作ったり、人としての生活の一部をしていると、何も考えないんですよ。逆に、布団に入って寝るまでの時間にすごく考えちゃうタイプなんで、お皿洗ったりご飯作ったりしている時って、頭の中がすっからかんになるんだっていうことに気がつきました」
桜田「私は犬と遊んでいる時というか、一緒にお昼寝する時とか、映画見ている時にそばにいてくれたりすると、すごくリフレッシュします。やっぱり家にいる時間が息抜きになりますね」
細田「うんうん!」
 

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<あらすじ>

川上福(桜田ひより)はごく平凡な高校生。クラスメイトで親友の矢沢望(茅島みずき)や、矢沢に想いを寄せる飯田智宏(河野純喜)と楽しい学校生活を送っている。別の高校に通う月島宝(細田佳央太)とは中学の頃からつきあっている。これまで数々の陸上大会で優秀な成績を収めてきた宝は、女手一つで育ててくれた母・直実(美村里江)を大事にする、真面目で心優しい青年だ。福のことも心から大切に思い、福の母・晴美(石田ひかり)からの信頼も厚い。

高校1年生の夏休みを翌日に控えたある日。宝くんと地元の花火大会に行くので帰りが遅くなる、と母に告げる福。宝くんとなら、と晴美は二人分のお小遣いを渡してくれた。放課後、そんな母に対する後ろめたさを感じながら、福が宝と向かったのは宝の家。この夜、宝の母は夜勤で不在。二人は以前からこの日に初めての性行為をしようと決めていたのだった。

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火ドラ・イレブン『あの子の子ども』

6月25日(火)スタート
カンテレ・フジテレビ系全国ネット<一部地域を除く>
毎週火曜・23:00〜23:30

出演:桜田ひより 細田佳央太 茅島みずき 河野純喜(JO1) 野村康太 / 前田旺志郎 橋本淳 / 野間口徹 美村里江 石田ひかり

制作著作:カンテレ
 

©カンテレ 写真/髙橋明宏(桜田ひより、細田佳央太) 構成/鹿住恭子