VRの世界では美少女たちだけど、現実の世界ではおじさんたち!? 仮想現実とリアルな現実を行き来しながら描かれるドラマ『VRおじさんの初恋』。ドラマの中で祖父と母の関係を修復したいと奮闘する、ちょっと大人っぽくてクールな少年・葵を演じているのは、柊木陽太くん。映画『怪物』での演技で映画賞の新人賞を受賞するなど、いま大注目の12歳だよ。そんな柊木くんに、演じた役のこと、ドラマの見どころ、そして俳優さんとしての夢などなど、たくさん聞いてみた。なんと学校では、家庭科部で刺繍してるんだって!

「葵は優しすぎて人づきあいが苦手な不器用な子」

NHKの夜ドラ『VRおじさんの初恋』に出の画像_1

Q. 『VRおじさんの初恋』で演じている葵くんはどんなコですか?

葵は頭が良くて落ち着いている大人っぽい子です。初めて台本を読んだときの葵の第一印象は、“人づきあいが苦手な子”でしたが、演じていくと優しい子だと感じました。優しすぎて人づきあいが苦手な不器用な子です。でも秘書の耕助(前原滉)にはズバズバと言えたりもして、子どもっぽい一面もあります。直樹(野間口徹)とは不思議と心が通じ合って良い関係性を築けています。
 

Q. 葵くんを演じる上で大事にしていたことはどんなことですか?

普段のクールな感じと、大切な母と祖父を仲直りさせたい情熱的な面があるので、そこの演じ分けを大事にしました。直樹と出会ってからの葵は、気が合う友達ができて嬉しかったと思うので、温かい雰囲気を出せるように、優しい気持ちで役作りをしました。秘書役の前原滉さんとのやりとりが楽しくてちょっと素が出てしまったかもしれません。
 

 

「登場人物全員良い人なので、温かい気持ちになる作品です」

NHKの夜ドラ『VRおじさんの初恋』に出の画像_2

Q. VR世界と現実世界を行き来する、このドラマの魅力だなと思うのはどんなとこですか?

直樹と穂波、葵も含めて、現実の世界とVRの世界では姿が全く違います。VRに入ることで自分とは違う自分を演じてたと思うのですが、直樹の不正アクセスをきっかけに現実と仮想世界が混ざってしまいました。
本当は良くないことですが、このドラマではそこから素敵な関係が生まれていきます。そういうところが魅力かなと思います。
あとは登場人物全員が良い人なので、温かい気持ちになる作品だと思います。個人的には直樹と耕助とのこたつを囲んでのシーンが好きです。
 

Q. 柊木くん自身はVRを経験したことはありますか? あるいは、ドラマを通してVRに興味がわきましたか?

撮影の前に一度だけ経験しました。とても面白かったです。不思議な世界観だなと思いました。ドラマ内ではVRの中のアオイ(写真右)を井上音生さんが演じていらっしゃるのですが、実際に放送を観て、僕が演じた葵がVRに入った感覚になりました。話し方とかを僕に寄せてきてくださっていてスゴいと思いました。


Q. ドラマはいよいよ終盤ですが、ラストに向けてぜひ注目してもらいたいポイントを教えてください!

“ブルース・リー スピリッツ作戦”とは一体何なのか? 作戦が成功して穂波と飛鳥が仲直り出来るのか? 楽しみにご覧いただけたらと思います。その後の登場人物たちの行く先にも注目してほしいです。特に最終話はとても感動する話になっています。
 

「家庭科部に入ったのですが、刺繍をしていて…毎回疲れています」

 Q. 学校でのことを教えてください! 好きな教科や苦手な教科は?

美術は苦手ですが、それ以外はどの教科も好きです。特に好きなのは数学と社会です。美術は絵がとにかく苦手で。今授業でデッサンをしているのですが絶望的です。あとは家庭科部に入ったのですが、刺繍をしていて…毎回疲れています。
ほかには読書が好きな友達と本の話をしたりして過ごしています。

Q. いま一番興味を持っていることはなんですか?

読書です! 3冊並行読みすると良いと聞いたのでそうしています。
ジャンルはミステリー小説が好きです。読みたい本が多すぎて、毎日夜更かしして怒られています。皆さんにおすすめしたいのは、アンソニー・ホロヴィッツさんの「カササギ殺人事件」です! 2度楽しめるミステリーになっているので読んだことがない人はぜひ読んでほしいです。

Q. 俳優さんとしてこれから挑戦してみたいことはどんなこと?

悪い人も良い人も演じられる、今回の役はどっち?と観ている人がワクワクするようなお芝居ができる俳優になりたいです。
あとはギターを弾いているので、そういうお仕事もできたらいいなと思っています。以前、福山雅治さんとギターのお話をさせていただいて、曲作りの参考にエド・シーランさんの曲を聴くと良いとアドバイスをいただいてから毎日聴いています。ギターもいただいて大切に使わせていただいています。
 
Q. では、 読者の皆さんにメッセージをお願いします!

これからもたくさんの作品に出られるように頑張るので、応援していただけるとうれしいです。また、『VRおじさんの初恋』がいよいよ最終回を迎えます。心温まるストーリーになっているのでぜひご覧にください。

 

Profile/ひいらぎひなた●2011年9月10日生まれ、京都府出身。幼少期からキッズモデルとして活動し、’21年ドラマ『ボクの殺意が恋をした』で俳優デビュー。以降、話題のドラマに連続して出演。’23年公開の映画『怪物』に主演し、第47回日本アカデミー賞 新人賞を受賞。’24年大河ドラマ『光る君へ』では一条天皇の幼少期役を演じて注目を集める。

サービス終了間際のVRゲームの中で二人は出会った!

NHKの夜ドラ『VRおじさんの初恋』に出の画像_3

<ストーリー>

さえない中年の独身男性・遠藤直樹(野間口徹)。会社は遅刻しがちで、社内でも誰とも打ち解けることもなく過ごしていた。趣味はバイクとVRゲーム。いまは、サービス終了間際のVRゲーム「トワイライト」にハマり、制服を着た少女・ナオキ(倉沢杏奈)のアバターとして、VR世界でも一人の時間を過ごしていた。
そんな中、美少女アバター・ホナミ(井桁弘恵)と出会う。ホナミは、VR世界でも孤独に過ごすナオキに興味を持ち声をかける。VR世界でともに過ごすうち、天真爛漫なホナミに恋をするナオキ。それは直樹にとっての初恋だった。しかし、ホナミは病気を理由にVR世界から消えてしまった。

ホナミのアバター情報から現実世界のホナミを探し出したナオキ。その場所へと向かうと、そこには高齢男性・芦原穂波(坂東彌十郎)がいた。穂波と直樹として出会い直した二人。母の飛鳥(田中麗奈)から祖父の様子を見るよう言われた葵(柊木陽太)は、穂波が家で中年のおじさんと一緒にいるところや、穂波がVRを使う姿を見て驚く。
二人の関係を探っていた葵だったが、祖父と直樹の関係性を理解。不思議と直樹には心を開ける葵は、祖父と母の間に亀裂があることを話す。さらに直樹は、穂波から自分の余命が近いことを告げられるのだった。

直樹と葵は、飛鳥の秘書の耕助(前原愰)を巻き込んで、穂波と飛鳥の仲直りを画策する。その名も”ブルースリー・スピリッツ作戦”。飛鳥をVR世界に連れてくることから始まる作戦だった。
 

※VRとは「Virtual Reality」の略で「仮想現実」とも呼びます。ゴーグルをつけ360°の映像を見ることで、その空間にいるような感覚を得られます。現在は、空間を移動したり、ものを動かしたりという没入感の高い体験も可能で、世界中の人とのコミュニケーションもできます。
 

おじさんの初恋は、VR世界の中だった!

NHKの夜ドラ『VRおじさんの初恋』に出の画像_4

夜ドラ『VRおじさんの初恋』

NHK総合 : 毎週月曜〜木曜夜10:45〜11:00(15分)

再放送:NHK総合  毎週金曜夜11:45〜0:45、
見逃し配信:NHKプラス(放送後7日間いつでも視聴可)

出演:野間口徹 倉沢杏奈 井桁弘恵 柊木陽太 堀内敬子 田中麗奈 坂東彌十郎 ほか

 

©NHK 構成/鹿住恭子