小説やドラマで大人気の時代劇「鬼平犯科帳」の新たなシリーズの劇場版に出演している俳優の中島瑠菜ちゃんは高校3年生! 来年の大河ドラマへの出演も決まった瑠菜ちゃんに、現代劇とは違うことも多そうな時代劇の撮影のこと、時代劇の面白さ、そして高校生活についても聞いたよ。
 

「時代は違っても、好きな気持ちがにじみ出てくるのは、現代のコと変わらない」

劇場版「鬼平犯科帳 血闘」に出演の17歳の画像_1

Q. 演じているのは、鬼平こと長谷川平蔵が若い頃に出会った女のコですね

「おまさという、お父さんの居酒屋のお手伝いをしているコです。素直で純粋で、真っ直ぐに気持ちを伝えられるコで、お客さんの“銕(てつ)”さん(長谷川銕三郎=長谷川平蔵の若い頃の名前)のことが好きです(笑)。時代こそ違いますが、好きな気持ちが言葉や態度からにじみ出てくるのは、現代の女のコと変わらないと思います。おまさの素直さはセリフからすごく伝わってくるので、監督からは『相手の言葉を聞いた上でそのセリフをちゃんと伝えられるように』と言われました。銕さん役の市川染五郎さんとリハーサルでやりとりを練習させていただいたことで、二人での掛け合いの空気感はできたかなと思います。本番では、演じている銕さんの目を見ていると自然と伝わってくるものがあったので、監督のおっしゃったことがちゃんと活かせたなと思います」

Q. 最初に時代劇に出演すると聞いたときはどんな感じでしたか?

「大丈夫かな・・・って(笑)。なので、鬼平犯科帳のこれまでの作品を観て、おまさってこんな感じの人なのかなぁって勉強しました。撮影は京都でした。リハーサルに行ったのはまだ寒い2月で、セットに入ると空気がひんやりしていました。小道具も昔のもので扱いも違うし、いつもの現場よりも緊張しながら、これから始まるんだなと思いました。でも、かつらを重いとか痛いとか感じることもなく、いつもと変わらない感じでいられたので、プロの方の仕事に触れることもできました。休憩時間には撮影所の中を歩いたりもしました。すごいんですよ! 昔の町がそのままあるみたいになっているんです。置かれている小物も、間近で見られて面白かったです。後で鬼平犯科帳の前作ドラマを観た時に、このシーンはあそこだ!とわかって、ロケ地巡りを先にした気分にもなりました(笑)」
 

「苦手意識なく観てもらいたいなぁ」

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Q. セリフとか所作とか、時代劇ならではの難しいことはありましたか?

「ありました(笑)。大事なシーンの中にいつもは言わないような言葉がいくつかあって、リハーサルではつまずいちゃいました。それで、何回も何回も大きい声で言って言い慣れるようにしたら、本番では大丈夫でした(笑)。あと、下駄ですね。リハーサルで履かせてもらったんですが、二本の歯がついた下駄を履くのは初めてだったので、下駄で歩く練習をするために東京に持ち帰らせてもらいました。履き物は今とは履き心地も全然違うので、そこは練習して、いつも履いてますよ〜って自然に見えるくらいまで練習しました。着物は、これまでも何度か着る機会があったので、着物を着ることへの抵抗はありませんでした。着物だと洋服を着ている時よりも背筋がしゃんと伸びて姿勢が保てるんです。着ることで自分を律してくれるみたいで、今回は着物にすごく助けられました」

Q. 時代劇というと読者世代にはちょっと難しい印象があります

「そうですね、自分から観ようという人は少ないかもしれません。でも、殺陣とかのカッコいい場面は、観たらすごく引き込まれると思います! 私も実際にこの作品を観たらすごく入り込めたので、苦手意識なく観てもらいたいなぁと思います」

「高校生のうちにJKっぽいことをしてみたい!」

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Q. プライベートでは高校生ですね

「はい、この春から高校3年生になりました。クラスでは、みんなでワイワイするというよりも、仲のいい友達と楽しく過ごしている感じですね(笑)。音楽の授業があるのは1年生と3年生だけなので、3年生になってまた音楽ができているのはうれしいです。歌ったりするほかに、映画や舞台などを鑑賞する時間もあって、楽しいんです。苦手な教科は……(小声で)数Ⅰと数Ⅱです。もう、わからなくって、本当にイヤです(笑)。でも、これも慣れだと思って、いま過去問をたくさん解いています。解いてわからなかったところはまた書き出して勉強しています」

Q. 高校生活最後の1年、これはやっておこうと思うことはありますか?

「JKっぽいことをしてみたいです! この前、海岸で風船を持って遊んでいる高校生たちを見たんですよ。花の形をした風船とか、文字の風船。それでL J Kって並んで写真を撮っていて。それを見たらいいなぁとすごく思って。友達と海に行って、そういうのを絶対に1度はやってみたいです! 学園祭ではこれまでも舞台でダンスをやってきました。今年は教室での展示とかもやってみたくて、みんなが写真を撮りたくなるようなフォトスポットを、自分たちで作ってみたいなぁって。でも、多分また舞台になりそうです(笑)。観に行くね!って楽しみにしてくれているコもいるので」
 

「この作品が時代劇を好きになるきっかけにもなると思う!」

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Q. いま一番興味のあることはなんですか?

「ビーズでストラップを作るのにハマっています。携帯につけているんですけど、ビーズでリボンを作るのがあって、友達にも教えてって言われています。手芸はちょこちょこやっていますね。ビーズで作るのが特に好きですね」

Q. 俳優さんとしての今後の夢を聞かせてください!

「私はマンガが好きなので、自分の好きなマンガと、実写版でもアニメでもどんな形でもいいので関われたらなぁと思っています。いま一番おすすめのマンガは『忘却バッテリー』という少年マンガです。マネージャーとして入部する女性のキャラクターがいるんですけど、ぜひその役を演じてみたいです!」

Q. では、同世代のST読者にメッセージを!

「みなさんには、劇場版『鬼平犯科帳 血闘』はザ・時代劇という感じがすると思うんですけど、その印象だけでやめとこうってならずに、ちょっと観てみようかなと思ってもらえたらうれしいです。観てもらえたらきっとお話に引き込まれると思いますし、この作品が時代劇を好きになるきっかけにもなると思うので、ぜひ観てほしいです! それで、おまさを演じる私を好きになってもらえたら、Instagram(@runa_nakashima)とかも見てほしいですね。そして、『なのに、千輝くんが甘すぎる。』とか、これまでに出演した映画も観てもらえたらうれしいです!」


Profile/なかしまるな●2006年10月10日生まれ、熊本県出身。2021年松竹グループ合同大型女性オーディション『松竹 JAPAN GP GIRLS CONTEST Supported by BookLive』グランプリ受賞。映画『九十歳。何がめでたい』が公開予定。『ソロ活女子のススメ4』がU-NEXTで配信中。2025年の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』への出演も決定!

 

ドレス¥51700・コットン セーター¥17600 (unfil/アンフィル )
 

大人気時代劇「鬼平犯科帳」の新シリーズ劇場版!

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<あらすじ>

ある日、長谷川平蔵(松本幸四郎)の元に、密偵になりたいとおまさ(中村ゆり)が申し出てきた。おまさは、かつて平蔵が銕三郎(てつさぶろう)という名だった若かりし頃に世話になっていた居酒屋の娘だった。おまさの申し出を断る平蔵。だが、おまさは、平蔵が盗賊の”鷺原の九平”を探していることを知り、独断で探索に乗り出すのだった。九平を探すうちに、兇賊”網切の甚五郎”のたくらみを知ることになったおまさは、網切一味に入り込んだ。しかし、おまさは絶体絶命の危機におちいり……。
 

<勝手に鬼平ゆる解説!>

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●鬼平犯科帳って?

「鬼平犯科帳」は、作家・池波正太郎による人気時代小説シリーズ。江戸時代の実在の人物でもある、火付盗賊改方*長官の長谷川平蔵(通称・鬼平)が主人公の物語です。平蔵は洞察力にすぐれていて、悪者が悪事を行う場所に先回りして捕らえることも多いし、いざ戦えば腕っ節も強い! 強さの秘密は、どうも若い頃に町でブイブイ言わせてたらしいから(?)。さらに、悪者を捕らえてからも悪事を根こそぎ退治するために、時にはかなり手厳しい拷問も行った!?(そこから、鬼の平蔵→鬼平と呼ばれているのだとか)。
でも普段は、気さくでしなやかで優しくて面白さもある理想の旦那で上司。そしてお酒とおいしいものが大好きなので、町のおいしいもの情報はほっとけないタイプ! おかげで、小説にも映像にも江戸時代のうまいもんがいくつも登場してくるのも、読者や視聴者には魅力のひとつだったりするよ。

* 江戸時代に重罪とされていた火付け(放火)と盗賊(強盗団)などの取り締まりを仕事にしていた役職

●親子で演じる平蔵!?

鬼平犯科帳はこれまでも時代劇の代表作として、映像作品でも長く愛されてきた作品。最初にドラマ化されたのは1969年で、この時に鬼平をつとめたのは初代 松本白鸚さん(八代目 松本幸四郎)。その後も数々の名優が鬼平を演じてきました。1989年から2016年までは二代目中村吉右衛門さん(初代松本白鸚の息子)が演じ、2024年からは十代目 松本幸四郎さん(初代 松本白鸚の孫で、二代目 中村吉右衛門の甥)が新生・長谷川平蔵を演じています。そして今作で若き日の鬼平を演じているのが、市川染五郎さん。鬼平を演じる松本幸四郎さんの長男なのです!それだけに、リアルな若き日を感じられるよ。

●密偵って?

今作では、平蔵の元に”密偵”になりたいとおまさが訪れたことで物語が動き出します。その密偵というのは、いまでいうスパイのようなもの。火付盗賊改方という公職の平蔵の元で、ひそかに盗賊たちの情報を集めるため奔走したり、身分を偽って盗賊一味に潜入捜査したりと、その働きは重要にして命がけ! 今作で中島瑠菜さんが演じたのは、そんなおまさの若い頃。その頃はまだ父の居酒屋を手伝う女の子だったけど、当時の常連さんである平蔵との出会いがきっかけで、のちに密偵にと申し出てくるので、中島瑠菜さん演じる若き日のおまさは重要な役どころだよ!

●殺陣がすごい!

時代劇のアクションと言えば、殺陣(たて)! 鬼平犯科帳ではこれがスゴイのだ。火付盗賊改方VS盗賊一味、鬼平VS盗賊のトップと、キレのあるスピーディーでカッコいい殺陣シーンは、観ていて力が入っちゃうこと間違いなし。そして、面白いなぁと思うのが、盗賊の名前。今回は網切の甚五郎、鷺原の九平が登場するけれど、名前の前に出身地や犯罪の特徴などがつくみたい。犯罪はすっごく非情なんだけど、なんか名前がニックネームみたいで可愛いとか思っちゃうの(不謹慎)。

●鬼平と仲間たちがイイ感じ!

鬼平のまわりには、火付盗賊改方のメンバー、密偵など、心強い仲間たちがいる。いわゆる鬼平パーティ! 今作では若かりし日のエピソードが出てくるけれど、その頃からの仲間たちといまも信頼関係で繋がっているメンバーも多いよ。映画のほか、ドラマシリーズにも繋がっているので、今後もぜひ鬼平と仲間たちの活躍に注目してみてね。密偵も、火付盗賊改方のメンバーも、みんなキャラがたっているので推しが見つかるかもよ。
 

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劇場版「鬼平犯科帳 血闘」
5月10日(金)公開

出演:松本幸四郎
     市川染五郎 仙道敦子 中村ゆり 火野正平
     本宮泰平 浅利陽介 山田純大 久保田悠来 柄本時生/中島瑠菜
     志田未来 松本穂香 北村有起哉
     中井貴一 柄本明

原作:池波正太郎『鬼平犯科帳』(文春文庫刊)
監督:山下智彦
脚本:大森寿美男
音楽:吉俣良
配給:松竹

「鬼平犯科帳 血闘」公式ホームページ: https://onihei-hankacho.com/movie/

©「鬼平犯科帳 血闘」時代劇パートナーズ 

撮影/髙橋明宏 構成/鹿住恭子 スタイリスト/井田信之 ヘア&メイク/川又由紀(HAPP'S.)