いよいよ開幕! 久保史緒里が出演する劇団☆新感線の舞台『天號星』
2023年劇団☆新感線43周年興行・秋公演 いのうえ歌舞伎『天號星(てんごうせい)』が東京、大阪で上演されます。これまでは客席側で観ていたという劇団☆新感線の舞台に立つくぼし。歌も、踊りも、これまでにない新しいことに挑んでいる。役のこと、稽古場でのこと、俳優のお仕事について話を聞いたよ。
Q.『天號星』の公演ポスターを最初に見た時はどんな印象でしたか?
「感動でしたね! 劇団☆新感線の舞台をこれまでいろいろ観させていただいてきて、ポスターやパンフレットのビジュアルが大好きだったんです。その大好きなビジュアルの中に自分がいることのうれしさがいっぱいでした。乃木坂46のメンバーたちも見てくれて、これ久保だってわかんない、って言ってくれていて。今までと全く違う自分を見せられるんじゃないかなっていううれしさがあります。今回、稽古期間を含め半年近くも舞台をやるというのは初めてなので、舞台を経験しているメンバーには、グループとの両立をどう乗り越えたかなどの相談というか話はよくしますね」
Q.演じる「神降ろしのみさき」は巫女とのことですが、どんな人ですか?
「すごく頭のいい人ですね。そして繊細さも持ち合わせています。物語は、いわゆる裏稼業を営む大人たちの話が進んでいくんですけど、その中で純度を持った登場人物がみさきです。子どもらしさもあるけど、大人びたところもあって、そこがこの舞台の中での彼女の魅力かなと思います。
今回、私はありがたいことに歌うシーンを担わせていただいています。この舞台のお話が決まった段階から、歌の準備はしてきました。まだ自分がどういう歌を歌うかもわからなかったんですが、これまで劇団☆新感線の舞台を観てきて、ロック調の激しい音楽がすごく多いのがわかっていたので、ハードな曲調に合う歌い方とかをお稽古していただきました。乃木坂46とはもちろん全然違う曲調なので、いつもと違う感じを楽しんでいただけたらいいなと思います。
今回の舞台は、すごく迫力と勢いのある殺陣、チャンバラが見どころです。私は殺陣はあまりありません、占ってます(笑)。みさきは物語のカギを握る人物なので、すごく重要な会話を担っていて、それだけに歌うことの意味を考えながら歌うことが大事。歌う場面は自分が一番頑張らないといけない、大きな見せ場かなと思っています。さらに踊りもあります。でも、これまで自分がたずさわってきた振りつけとは全然別もの。お着物で踊るので、きっと見え方も全然違ってくると思います」
Q.いつも客席から観ていた劇団☆新感線の舞台。実際に中に入ってみてどうですか?
「観ていた側だった劇団☆新感線の舞台が、どうやって作られていくのかっていう過程を初めて経験して、こうも自分にはできないものかとすごく葛藤して焦りました。本読みの時には、もうすでに劇団☆新感線の皆さんの空気感やテンポ感がありましたね。その空気やテンポに違和感なくなじんでいくことが稽古場での課題でした。本番までに自分がブラッシュアップすべき点が多すぎて、課題は山積みです。ただ、それがすごく楽しいんです!」
Q.いのうえさんならではの演出というのは?
「いのうえさんの演出は、いのうえさんの頭の中のものを我々が授かって表現するという形です。セリフの言い方から、動きの一挙手一投足まで、細かいところまで一緒に考えてつきつめてくださってる。みさきがこの作品においてどういう役割か、このセリフはどういう意味で言ってるかというヒントを教えてくださって、それに応えていってるという感じです。いのうえさんに言っていただけることをちゃんと表現できるようになりたい、という気持ちで挑む感じが新鮮で、楽しいですね。
今日のお稽古では、古田さんがとある箇所で毎回セリフを変えておっしゃってたんです。その度に皆さんが、笑いながらそれに合わせてお芝居をしていました。それがすごく素敵な空気感で、すごく楽しいんです。でもそのアドリブは稽古場だからこそのもので、本番ではやらないんですよ。そういう楽しみ方をしているんです」
Q. 製作発表会で古田さんが山本千尋さんとくぼしに「おとっつぁん」と呼んでもらいたいとおっしゃってましたが。
「製作発表会の時に、おとっつぁんが、BiSHのアイナ・ジ・エンドさんのTシャツを着てたので、山本千尋さんと二人で嫉妬して(笑)。今度2人でTシャツを作って古田さんに絶対着てもらおうね!って話をしています。お互いに劇団☆新感線に今回が初めて参加する山本千尋さんとは、お稽古場の席が隣でよくお話ししています。本当に、すごく優しく距離を縮めてくださっていて、お誕生日プレゼントもいただきました。稽古場は、これまで経験したほかの舞台の稽古場とはまた違った雰囲気ですね。みんなで作りながら、笑っている時間もあるし、いい意味で肩の力を抜きながらお稽古できる環境です」
Q.俳優としてのお仕事の量も幅も広がっていますね。
「そうですね。普段はグループとしてメンバーのいる環境の中でいろいろな仕事をしているので、一人で新しい現場に乗り込むのはすごくエネルギーを使うし、すごく緊張もします。今年で7年目ですが、全然それに慣れなくて、毎回新鮮に緊張してしまうんです。ありがたいことに俳優の経験を積ませていただいていますが、自分がアイドルとして舞台やドラマに出演することに対して何かちょっと申し訳なさみたいなものを抱えてたんです。でも、一人の俳優として接すると言ってくださる方がいて。その言葉に、私もその考えを持っていないとダメだ、同じ気持ちで挑まないといけないという気持ちになりました。アイドルだということを言い訳にしたくないなと思っています」
Q.長丁場の舞台出演で、気をつけていることはありますか?
「乃木坂46のライブでもそうなんですが、本番期間は主にご飯を食べてエネルギーにすることに重きを置いています。どれくらいの時間にどれぐらいの量を食べるとか、自分の今の身体の状態やエネルギーがどれくらいなのかとか、すごく意識しながらチョコレート1つとかで調節しながら摂っています」
Q.舞台の現場にいつも持って行くものとか、これは必ずやる、とかはありますか?
「以前はそういうものを作ってた時期もあったんですよ。でも、それを忘れた時に、もうどうしよう! もうダメだ!ってなっちゃって(笑)。心が落ち着かなかったので、あえてルーティーンや大事なものを作らないようにしてます。でも、いつも持ってるのはペンかな。つねに何か書いていたい人なので。そう、今日ペンのインクが切れたんですよ〜。切れた瞬間に、ワッ!ってなりました(笑)」
ヘアメイク:宇藤梨沙 スタイリング:伊藤舞子 【衣装】ワンピース¥96,800(IZA<CO | TE>) その他/スタイリスト私物 問い合わせ先 IZA(0120-135-015)
Q.ST読者にうれしいヤングチケット(2,200円)は、劇団☆新感線デビュー、観劇デビューのきっかけにはいいですね。
「今回の公演はこの劇場を活かした演出になっていて、私もお稽古しながらすごくワクワクしています。役者が客席に降りてくる場面も結構あるので、これまでにない新しい舞台の楽しみ方ができると思います。早乙女太一さん、友貴さんの殺陣の迫力は皆さんご存知だと思いますが、劇団☆新感線の公演でご兄弟揃って殺陣を見られるということで、楽しみにされている方がたくさんいらっしゃいます。もちろん私もその一人です! とにかく、劇団☆新感線の殺陣がめちゃくちゃカッコいいので、ぜひそれを楽しみに観にいらしてください!」
元禄の世を舞台に繰り広げられる、“入れ替わり”バトル時代劇!
<あらすじ>
元禄、大江戸八百八町――。 口入れ屋の藤壺屋主人・半兵衛(古田新太)は、裏で世のため人のため、悪党を始末する〝引導屋〟の元締めとして知られている。だが、実のところは顔の怖さを買われただけの、気弱で温厚、虫も殺せぬ置きもの。表も裏も、真の元締めは女房のお伊勢なのだった。 あるとき、金さえ積めば誰彼かまわず斬り殺す〝狂犬〟こと、はぐれ殺し屋の宵闇銀次(早乙女太一)が現れる。引導屋を潰し、裏稼業の独占を目論む黒刃組に依頼され、半兵衛を待ち伏せして斬ろうとする銀次。だがその瞬間、天號星の災いか、激しい落雷の中、二人を雷が直撃! 半兵衛と銀次の身体が入れ替わってしまう。 そこへ銀次を追って上州から人斬り朝吉(早乙女友貴)がやってくる。朝吉は「銀次の首は自分がもらう」と言い始め、銀次の身体に入った半兵衛は、命からがら逃げ出すはめに。 一方、半兵衛の身体に入ったものの、引導屋の主人とは名ばかりと知って失望する銀次。だが自らの野望を叶えるため、この身体を利用することを思いつく……。 天號星に翻弄されながら、己を生きようとする二人。その運命が交差する先にあるのは果たして!
2023年劇団☆新感線 43周年興行・秋公演 いのうえ歌舞伎
『天號星』
作: 中島かずき
演出: いのうえひでのり
出演: 古田新太 早乙女太一 早乙女友貴 / 久保史緒里 高田聖子 粟根まこと 山本千尋 / 池田成志 他
【東京公演】 2023年9月14日(木)~10月21日(土) THEATER MILANO-Za
S席1,4000円/A席11,000円/ヤングチケット2,200円(全席指定・税込)
★ヤングチケット:来場時に22歳以下のみ購入可。当日引換券。開演30分前から、整理番号順に「当日券受付」にて、年齢明記の身分証提示の上、座席指定券と交換。1人1枚まで。(ぴあ販売のみ)
【大阪公演】 2023年11月1日(水)~20日(月) COOL JAPAN PARK OSAKA WWホール
S席14,800円/ヤングチケット2,200円(全席指定・税込)
※追加公演 11月6日(月)18:30/11月13日(月)18:30
★ヤングチケット:来場時に22歳以下のみ購入可。当日引換券。開演1時間前から、整理番号順に「当日券受付」にて、年齢明記の身分証提示の上、座席指定券と交換。1人2枚まで。
『天號星』公式サイト: http://www.vi-shinkansen.co.jp/tengohsei/